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2012年11月12日

  • 税の最新情報

国税庁発表 法人税調査で1兆1,749億円の申告漏れを把握

  国税庁は、「平成23事務年度における法人税等の調査事績」を公表しました(平成23事務年度法人税等の調査事績の概要)。これによりますと、大口・悪質な不正計算が想定されるため調査必要度が高いとされた12万9千法人(前年度比+3.1%)に実地調査をした結果、9万2千件(同+1.8%)から総額1兆1,749億円の申告漏れが発見されました。前年度に比べると、6.4%減少しています。総額が1兆2千億円を超えた1986年以降で最も少なくなっています。

  業種別にみると、不正発見割合の高い業種では、「バー・クラブ」が52.6%と10年連続のワースト1位となりました。次いで「廃棄物処理」33.1%、以下「パチンコ」31.9%の順となっています。

  1件あたりの不正脱漏所得金額が大きい業種では、1位は前年同様「パチンコ」4,247万円、次いで「その他の娯楽」2,695万円、以下「医薬品」2,586万円、「水運」2,583万円、「鉄鋼製造」2,516万円と続いています。「バー・クラブ」は、不正発見割合の高い業種では1位となりましたが、金額が相対的に少ないため、不正脱漏所得金額が大きい業種の上位には入っていません。

  一方、海外との取引を巡って申告漏れを指摘された企業は3,666社(同+2.5%)で、申告漏れの総額は全体のほぼ4分の1に当たる2,878億円(同+18.8%)に上っています。中には、現地の税務当局からの情報提供により、海外の倉庫代が架空であることが判明した事例もあったようです。国税庁はケイマン諸島などのいわゆるタックスヘイブンを含む64の国や地域と条約を結ぶなど情報を得る体制を整えており、海外取引を悪用した不正に対する調査を強めることにしています。

  また国税庁では、調査を行うにあたり、国民の公平感を著しく損なうものとして、事業を行っているにもかかわらず申告していない法人、無申告法人に対して重点的に調査を行ってきたようです。そのうち、稼動している実態を隠すために故意に納税地を移転するなど意図的に無申告であるとした事案400件については、法人税45億円、消費税14億円の追徴課税をしています。平成23年度税制改正では、故意に「納税申告書を法定申告期限までに提出しないことにより税を免れた者」に対する罰則が強化されており、今後も、無申告法人に対する厳しい調査は続きそうです。


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