全国人民代表大会常務委員会より2023年7月に草案が提出された刑法改正案が、2023年12月29日に可決されました。改正法の施行日は2024年3月1日です。贈賄と腐敗にスポットを当てた改正で、重罰が課される項目として以下が具体的に列挙されています。
【重罰項目】
① 賄賂を複数回又は複数人に提供する行為
② 国家公務員に賄賂を提供する行為
③ 重要な国家的活動、重要プロジェクト、または主要プロジェクトにおいて賄賂を提供する行為
④ 監察職員、行政法執行職員、司法職員に賄賂を提供する行為
⑤ 生態学と環境保護、金融、生産安全、食品と医薬品、災害救援、年金と社会保障、教育と医療などの分野に賄賂を提供する行為
⑥ 違法行為又は犯罪行為を行う目的で賄賂を供与する行為違法な利益を賄賂に利用する行為
また、民間企業への処罰、贈賄側への処罰が強化されている点も今回の改正の特徴です。
【処罰強化の概要】
- 賄賂供与側の刑罰は 「5年以下の刑罰」から「3年以下の懲役または短期拘禁」若しくは、「3年以上10年以下の懲役」の2段階に改正。
- 個人贈収賄と民間企業贈収賄の刑罰に相違があったため、民間企業の贈収賄刑罰の強化。
- 民間企業内部職員の汚職に係る処罰の強化。
贈答は、中国において根強く習慣づいているものですが、値引きに該当しないキックバックやリベート等も商業賄賂として刑法の対象になる可能性があることから、企業としても内部コンプライアンスの見直しが求められます。
※刑法修正案:中华人民共和国刑法修正案(十二)__中国政府网 (www.gov.cn)
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