海外デスクレポート

2024年3月18日

米国非居住者が自己居住用の不動産を法人保有する際の税務リスク (米国)

米国非居住者が自己居住用の不動産を法人保有する際の税務リスク (米国)

米国で不動産投資をする際には、法人を通じて不動産を所有することが一般的です。これは法務リスクを軽減し、米国の相続手続きを簡素化する利点があります。しかし、米国に居住していない個人が自分自身や家族の米国滞在・居住用にこの法人所有方式を用いる場合は、法人税及び所得税について検討が必要です。

 

具体的な税務リスクの一例として、法人が所有する米国不動産にオーナーまたはその家族が適正な家賃を支払わずに居住する場合があります。この場合、以下の税金の検討が必要となります。

  • オーナーや家族が受け取ったみなし給与(現物給与)に対する個人所得税
  • 法人が得たみなし家賃収入に対する法人税
  • みなし配当(みなし家賃収入に対する法人税を控除した額)に対する源泉所得税

 

米国内国歳入庁(IRS)は、これらの場合の課税関係について公表しており、現在個人利用目的の不動産を法人所有している場合は、見直しを推奨しています。具体的な対策の検討には、株主構成、不動産の利用目的、法人の課税方式、他の所有方式の検討、今後の方針など個別の事情を踏まえ必要がありますので、気兼ねなくお問い合わせください。

 

法人経由の不動産保有スキーム

具体的な法人経由で保有する方法としては、以下のようなものが考えられます。

直接的な法人所有

二段構造
(LLC利用)

二段構造
(米国法人利用)

 

 

 

 


  • 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
  • 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
  • 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。
  • 遠藤 元基

    この記事の著者

    遠藤 元基
    Yamada & Partners USA, Inc.
    パートナー 日本税理士・公認不正検査士

    2007年税理士法人山田&パートナーズ東京本部入所、2011年福岡事務所開設・同所長就任。2019年よりベトナム及びタイに駐在。2023年より米国駐在。エステートプランニング、クロスボーダーM&A、グローバル組織再編、海外子会社不正調査など幅広い業務に対応。

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