復興特別法人税の前倒し廃止
速報 平成26年度(2014年度)税制改正解説
1. 改正の概要
- 復興特別法人税の課される期間が1年前倒しで廃止とされます。
- 法人が受け取る利子及び配当等に課される復興特別所得税の額は、所得税と合せて、法人税の額から控除します。
- 法人税の額から控除しきれない復興特別所得税の額がある場合には、その金額は還付されます。
【趣旨】
復興特別法人税を前倒しで廃止し、企業収益を賃金の上昇につなげるきっかけとする。
※ 復興特別法人税は、基準法人税の額(各事業年度の所得に対する一定の法人税の額)に10%の税率を乗じて計算します。
【法人税及び復興特別法人税の税率】
改正前 (平成26年度) |
改正案 (平成26年度) |
||
中小法人(※1)、 一般社団法人等及び人格のない社団等 |
年800万円以下の金額 | 16.5% | 15% |
年800万円超の金額 | 28.05% | 25.5% | |
中小法人以外の普通法人 | 28.05% | 25.5% | |
一般社団法人等以外の公益法人等、 協同組合等及び特定の医療法人 |
年800万円以下の金額 | 16.5% | 15% |
年800万円超の金額 | 20.9% | 19% |
【実効税率(※2)】(東京23区内の法人の場合)
改正前 (平成26年度) |
改正案 (平成26年度) |
||
中小法人(※1、3) | 年400万円以下の金額 | 22.87% | 21.43% |
年400万円超年800万円以下の金額 | 24.56% | 23.16% | |
年800万円超の金額 | 38.37% | 36.05% | |
中小法人以外の普通法人(※4) | 38.01% | 35.64% |
(※1)中小法人とは、期末資本金の額が1億円以下の法人(資本金の額が5億円以上の法人の完全子法人等を除く)をいいます。
(※2)実効税率は、住民税の均等割、事業税の資本割及び付加価値割を含めずに計算しています。
(※3)住民税、事業税の超過税率を適用せず、事業税の軽減税率適用法人として計算しています。
(※4)住民税、事業税の超過税率を適用し、事業税の軽減税不適用法人として計算しています。
【法人税及び復興特別法人税の税率の推移】
※ 中小法人以外の普通法人に対する税率、中小法人、一般社団法人等及び人格のない社団等のうち年間所得800万円超の金額に対する税率
【中小法人等の軽減税率の推移】
※ 中小法人、一般社団法人等及び人格のない社団等のうち年間所得800万円以下の金額に対する税率
2. 実務上の留意点
- 実効税率の引下げに伴い、すでに計上されている繰延税金資産及び繰延税金負債の金額の取崩しが必要になる。
3. 今後の注目点
- 国際競争力の強化等を背景とした法人実効税率の引下げの実施時期。
- 非上場株式の評価において、純資産価額方式の計算上控除される法人税額等相当額の税率。(現行の42%から下がるかどうか。)
内容につきましては、「平成26年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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