研究開発税制の延長と一部改組
速報 平成26年度(2014年度)税制改正解説
1. 改正の概要
- 「試験研究費の額が増加した場合等の税額控除制度(※1)」の適用期限が3年間延長されます。
(※1)試験研究費の額が比較試験研究費の額を超え、かつ、基準試験研究費の額を超える場合(増加型)、又は、当該試験研究費の額が平均売上金額の10%相当額を超える場合(高水準型)に、試験研究費の総額に係る税額控除制度等とは別枠で一定金額を税額控除できる制度 - 増加型の制度については、試験研究費の額が比較試験研究費の額の105%超増加していない場合は適用できません。また、増加割合に応じて、増加試験研究費の額に乗じる割合が5%から増加割合(最大30%)に変更されます。
【趣旨】
試験研究費を増加する企業への税額控除額を増加させ、研究開発投資の一層の加速を促すために、研究開発税制を改正する。
内容 | 改正前 | 改正案 |
【増加型】 【高水準型】 適用期限の延長 |
平成26年3月31日までの間に開始する事業年度 | 平成29年3月31日までの間に開始する事業年度 |
【増加型】 判定基準の一部改正 |
試験研究費の額が比較試験研究費の額(※2)を超えること | 増加試験研究費の額(※3)が比較試験研究費の額(※2)×5%を超えること |
【増加型】 控除率の拡充 |
5% | 5%~30% (増加割合(※4)が30%未満の場合には、増加割合) |
(※2) 適用年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度において損金の額に算入された試験研究費の額を平均した額
(※3) 試験研究費の額から比較試験研究費の額を控除した残額
(※4) 増加試験研究費の額の比較試験研究費の額に対する割合
2. 実務上の留意点
- 増加型について改正前の制度は増加割合が5%以下でも適用されるが、改正後は5%超の増加が適用要件となる。
(軽微な増加では適用されない)
内容 | 改正前 | 改正案 |
判定基準 | 試験研究費の額 > 比較試験研究費の額 かつ 試験研究費の額 > 基準試験研究費(※1)の額 |
増加試験研究費の額 > 比較試験研究費の額×5% かつ 試験研究費の額 > 基準試験研究費の額 |
内容につきましては、「平成26年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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