個人版事業再生税制の創設

速報 平成26年度(2014年度)税制改正解説

個人事業者の資産の評価損の必要経費算入

1. 改正の概要

  • 債務処理計画等により、債務免除を受けた場合で一定の準則に基づき、減価償却資産等の評定を行っているときは、それらの資産の評価損に相当する金額が必要経費に算入できます。

 

【具体例】債務処理計画により債務免除を受け、資産の評定を行った場合

i03図1

※この特例を適用しないで計算した年分の不動産所得、事業所得又は山林所得の金額が限度額となります。

 

2. 実務上の留意点

  • 債務処理に関する計画で一般に公表された債務処理を行うための手続に関する準則に基づき、減価償却資産及び繰延資産等の評定を行った場合に適用を受けることができる。

 

3. 今後の注目点

  • 今回の適用対象資産と企業再生税制(法人)における評価損益計上資産の範囲が相違するか否か明らかになっていない。
  • 適用開始時期は現在、明らかになっていない。

 

 


 

個人の債務免除益の総収入金額の不算入

1. 改正の概要

  • 個人が破産法等により債務免除を受けた経済的利益の額については、各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入されません。ただし、その経済的利益の額のうち、次に掲げる金額に相当する部分については、総収入金額に算入します。
    ① 免除を受けた年において、経済的な利益の額がないものとしてその債務を生じた業務に係る各種所得の金額を計算した場合に、その各種所得の金額の計算上生じる損失の金額
    ② 免除を受けた年において、経済的な利益の額をその債務が生じた業務に係る各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入して計算した場合に、その生じる各種所得の金額から純損失の繰越控除により控除すべきこととなる金額

i03図2

 

2. 実務上の留意点

  • 破産法の規定による免責許可の決定、再生計画認可の決定その他資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合に適用を受けることができる。

 

3. 今後の注目点

  • 所得税法基本通達36-17(債務免除益の特例)との関係性。
  • 適用開始時期が現在、明らかになっていない。

 

 

内容につきましては、「平成26年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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