消費税の内外判定の見直し
速報 平成28年度(2016年度)税制改正解説
1. 改正の概要
- 電気通信利用役務の提供(注1)に係る消費税の国内取引の判定ついては、役務の提供を受ける者の住所地や本店所在地等により行います(注2)が、事業者向けの電気通信利用役務の提供(注3)に係る国内取引の判定については、下記のとおり見直しが行われます。
① 国内に本店を有する事業者が、国外支店等で受ける事業者向け電気通信利用役務の提供
【改正前】国内に本店があるため国内取引として課税対象 (注4)
【改正案】当該役務の提供のうち国外において行う資産の譲渡等にのみ要するもの (注5)は国外取引として課税対象外
② 国外に本店を有する事業者が国内の恒久的施設(日本支店等)において受ける事業者向け電気通信利用役務の提供
【改正前】国外に本店があるため国外取引として課税対象外
【改正案】当該役務の提供のうち国内において行う資産の譲渡等にのみ要するもの(※5)は国内取引として課税対象
(注1) 電気通信利用役務の提供とは、インターネット等を介して行われる電子書籍、音楽、映像、ゲームまたは広告の配信などの役務の提供をいいます。
(注2) 当該判定基準は平成27年度税制改正事項であり、平成27年10月1日以後行われる電気通信利用役務の提供から適用されています。
(注3) 国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうちその役務の性質等からその役務の提供を受ける者が通常事業者に限られるものをいいます。
(注4) 特定仕入れとして役務提供を受ける者である国内事業者が消費税の納税義務を負います(いわゆるリバースチャージ方式)。
(注5) ①の場合には国外で販売される商品に関する広告の配信など、②の場合には国内で販売される商品に関する広告の配信などが想定されると考えます。
〇平成 29年1月1日以後に行われる特定仕入れについて適用される。
2. 実務上の留意点
- ①のケースは、国外事業者から受ける当該役務が、国外において行う資産の譲渡等にのみ要するものかどうかの判断が必要となる。
内容につきましては、「平成28年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の財源等を確認する必要がある、相当等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。よろしくお願いします。
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