雇用促進税制の改正及び延長

速報 平成28年度(2016年度)税制改正解説

1. 改正の概要

  • 雇用促進税制の対象となる増加雇用者(※1)の範囲が、同意雇用開発促進地域(※2)内にある事業所における無期雇用かつフルタイムの雇用者に限定されます。
  • 一定の調整計算(※3)を加えた上で、所得拡大促進税制との併用が可能となります(※4)。
  • 適用期限が平成30年3月31日まで延長されます。
  • 所得税についても同様の改正が行われます。
内容 改正前 改正案
本体部分 ① 増加雇用者(※1)の判定
対象事業所
全事業所 同意雇用開発促進地域に
存する事務所
② 税額控除額 増加雇用者×40万円 増加雇用者(※5、6)×40万円
③ 所得拡大促進税制との併用 不可 可(調整計算あり)
地方拠点強化税制
の特例部分
所得拡大促進税制との併用 不可 可(調整計算あり)

(※1)増加雇用者とは当期末の雇用者数から前期末の雇用者数を控除した数をいう。
(※2)有効求人倍率が低い地域として地域雇用開発促進法に定める一定の地域をいう(平成27年10月1日現在 28道府県 100地域)。
(※3)所得拡大促進税制の対象は、雇用者給与等支給額から増加雇用者に対する給与等支給額として一定の方法により計算した金額を控除した金額となる。
(※4)地方拠点強化税制の特例部分についても所得拡大促進税制との併用が可能となる。
(※5)無期雇用かつフルタイムの雇用者に限る。
(※6)新規雇用に限るものとし、雇用者数の上限は当該事務所及び法人全体の増加雇用者が上限となる。

〇 平成30年3月31日まで延長

2. 実務上の留意点

  • 増加雇用者の適用対象となる事業所が、全事業所から、有効求人倍率の低い地域に存する事業所のみとなった。
    そのため、東京、大阪など都市部でのみ事業所を構える事業者については、適用が受けられないこととなる(適用対象範囲の縮小)。
  • その一方で所得拡大促進税制との併用が可能となり、税制措置は拡大された。

3. 今後の注目点

  • 所得拡大促進税制と併用する場合の具体的な調整計算の方法。
  • 適用要件の判定(法人全体で判定をするのか、対象事業所のみで判定をするのか)。

 

 

 

内容につきましては、「平成28年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の財源等を確認する必要がある、相当等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。よろしくお願いします。

 

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