住宅の三世代同居改修工事等に係る特例の創設
速報 平成28年度(2016年度)税制改正解説
住宅の三世代同居改修工事等に係る特例の創設①
1. 改正の概要
- 三世代同居に対応した住宅リフォームに関し、住宅の三世代同居改修工事に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除が創設されます。
内容 | 個人がその者の有する居住用家屋について借入金を利用して、一定の三世代同居改修工事を含む増改築等をした場合に、一定の金額が所得税額から控除されます。 |
控除対象期間 | 居住の用に供した年から5年 |
特別控除額 | 三世代同居改修工事等に充てるための住宅借入金(年末残高1,000万円を限度)の区分に応じ、下記(イ)、(ロ)の合計金額 (イ)一定の三世代同居改修工事(※1)に係る工事費用(限度:250万円)に相当する住宅借入金等の年末残高×2% (ロ)(イ)以外の住宅借入金等の年末残高×1% |
(※1)「一定の三世代同居改修工事」とは、①調理室、②浴室、③便所又は④玄関のいずれかを増設する工事(改修後、①から④までのいずれか2つ以上が複数となるものに限る。)であって、その工事費用(補助金等の交付がある場合には、当該補助金等の額を控除した後の金額)の合計額が50万円を超えるものをいう。
(※2)適用対象となる住宅借入金等は、償還期間5年以上の住宅借入金等とする。
(※3)三世代同居改修工事等の証明書の発行は、住宅の品質確保の促進等に関する法律に規定する登録住宅性能評価機関、建築基準法に規定する指定確認検査機関、建築士法の規定により登録された建築士事務所に所属する建築士又は特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定による指定を受けた住宅瑕疵担保責任保険法人が行うものとする。
(※4)その年分の合計所得金額が3,000万円を超える場合には、本税額控除は適用しない。
(※5)その他の要件は、改正前の住宅の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の要件と同様とする。
〇 平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間に居住の用に供した場合に適用される。
2. 実務上の留意点
- 上記特例は住宅の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除との選択適用となる。
- 二以上の増改築等をした場合の控除額の計算については、調整措置その他所要の措置が講じられる。
住宅の三世代同居改修工事等に係る特例の創設②
1. 改正の概要
- 三世代同居に対応した住宅リフォームに関し、既存住宅に係る三世代同居改修工事をした場合の所得税額の特別控除が創設されます。
内容 | 個人がその者の有する居住用家屋について、一定の三世代同居改修工事を含む増改築等をした場合に、一定の金額が所得税額から控除されます。 |
控除対象期間 | 居住の用に供した年 |
特別控除額 | 一定の三世代同居改修工事(※1)に係る標準的な工事費用相当額(※2、限度額:250万円)×10% |
(※1)「一定の三世代同居改修工事」とは、①調理室、②浴室、③便所又は④玄関のいずれかを増設する工事(改修後、①から④までのいずれか2つ以上が複数となるものに限る。)であって、その工事に係る標準的な工事費用相当額(補助金等の交付がある場合には、当該補助金等の額を控除した後の金額)が50万円を超えること等の要件を満たすものをいう。
(※2)「標準的な工事費用相当額」とは、三世代同居改修工事の改修部位ごとに標準的な工事費用の額として定められた金額に当該三世代同居改修工事を行った箇所数を乗じて計算した金額をいう。
(※3)その年の前年以前3年内の各年分において本税額控除の適用を受けた者は、その年分は適用を受けることはできない。
(※4)その年分の合計所得金額が3,000万円を超える場合には、本税額控除は適用しない。
〇平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間に居住の用に供した場合に適用される。
2. 実務上の留意点
- 上記特例は住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除又は特定の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例との選択適用となる。
内容につきましては、「平成28年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
税制改正の最新情報など、山田&パートナーズの税務情報のニュースレター登録は以下から