医療費控除の特例の創設

速報 平成28年度(2016年度)税制改正解説

1. 改正の概要

  • セルフメディケーション(自主服薬)推進のためのスイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)が創設されます。
  • 一定のスイッチOTC医薬品の購入金額のうち一定額を、その年分の総所得金額等から控除することができます。
  • 現行の医療費控除との併用はできません。

内容 セルフメディケーション推進のための
スイッチOTC薬控除
(現行)医療費控除
対象となる医療費 一定のスイッチOTC医薬品(※1)の購入の対価
  • 医師又は歯科医師による診療又は治療の対価
  • 治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価 等
控除限度額 8万8千円(※2) 200万円(※3)
適用対象者 健康の維持増進及び疾病の予防への
取組として、一定の取組(※4)を行う個人
居住者
適用範囲 自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費等
控除対象外 保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補填される部分の金額
併用可否 併用不可

(※1) 要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品(類似の医療用医薬品が医療保険給付の対象外のものを除く)
(※2) その年中に支払った一定のスイッチOTC医薬品の合計額が1万2千円を超える場合において、その超える部分の金額(8万8千円を限度)
(※3) その年中に支払った医療費の合計額が10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等5%の金額)を超える場合において、その超える部分の金額(200万円を限度)
(※4) 一定の取組とは、次の検診等又は予防接種(医師の関与があるものに限る。)をいう。
① 特定健康診査 ② 予防接種 ③ 定期健康診断 ④ 健康診査 ⑤ がん検診

〇 平成29年1月1日から平成33年12月31日までに支出した場合に、その年分の所得税・住民税に適用される。

2. 実務上の留意点

  • 現行の医療費控除との併用はできないため、選択適用となる。

 

 

内容につきましては、「平成28年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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