日台民間租税取決めに関する国内法の整備

速報 平成28年度(2016年度)税制改正解説

1. 改正の概要

  • 日本と台湾との間で、二重課税を防止する等、租税条約に相当する枠組みが構築されます。

【趣旨・背景】

  • 日本の台湾に対する立場は、非政府間の実務関係を維持するというもので、国家間の取決めである租税条約を締結することができませんでした。
  • 日本と台湾との間で租税条約に相当する枠組みを構築するため、日本側と台湾側の交流窓口機関が、平成27年11月26日「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための公益財団法人交流協会と亜東関係協会との間の取決め」(日台民間租税取決め)に署名し、その内容を日本国内で実施するための国内法が整備されることとなります。

k01図1-1

 

2. 日台民間租税取決めの概要

公益財団法人 交流協会のHP掲載の「日台民間租税取決め」をもとに作成

 

k01図2

3. 実務上の留意点

  • 改正前の制度では、恒久的施設を有さない日本非居住者が『「買集め」をした株式の譲渡』、『事業譲渡類似株式の譲渡』をした場合、日本において課税される。租税取決めの適用後は、これらの譲渡は日本において非課税となる。
  • 改正前の制度では、日本居住の給与所得者が台湾に出張した場合であっても、その滞在日数が90日以内であれば、台湾での課税は生じない。一方、台湾居住の給与所得者が日本に出張した場合、1日でも日本で勤務をすると日本において課税が生じる。改正後は、暦年中に開始、終了するいずれの12か月間においても滞在期間が183日以内である場合等の一定の要件を満たす場合には、勤務地での課税は生じない。
  • 適用開始時期は、台湾において相互主義が確保されるために必要な手続が完了した時期とされている。

 

 

内容につきましては、「平成28年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の財源等を確認する必要がある、相当等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。よろしくお願いします。

 

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