農地保有に係る固定資産税等の課税の強化・軽減
速報 平成28年度(2016年度)税制改正解説
1. 改正の概要
- 遊休農地の解消、農地の利用の効率化及び高度化の促進を図るため、農地保有に係る固定資産税の課税が強化・軽減されます。
① 一定の遊休農地について、固定資産税の負担が約1.8倍に増加します。
② 農地中間管理機構へ一定期間貸出しを行った場合に、最初の3年間又は5年間、固定資産税・都市計画税が2分の1に軽減されます。
① 農地保有に係る固定資産税の課税の強化
農業委員会から農地中間管理機構との協議の勧告を受けた遊休農地(農業振興地域内に限る)については、農地の固定資産税の計算上、限界収益修正率(※)を乗じないこととする等の評価方法の変更を実施するため、所要の措置が講じられます。
※ 農地の売買事情の特殊性を考慮し、正常売買価格を修正する割合。平成27年度は0.55であり、これを前提にすると1÷0.55=約1.8倍となる。
内容 | 改正前 | 改正案 |
固定資産税における農地の評価 | 正常売買価格×限界収益修正率(0.55) | 正常売買価格 |
② 農地保有に係る固定資産税及び都市計画税の課税の軽減
所有する全ての農地(10㌃未満の自作地を除く。)を農地中間管理機構に対し、特例措置の期間内(2年間)に貸付けた場合には、貸付期間に応じ以下のとおり固定資産税及び都市計画税が2分の1に軽減されます。
- 貸付期間が10年以上・・・最初の3年間
- 貸付期間が15年以上・・・最初の5年間
【適用時期】
①:平成29年度
②:適用時期については、大綱の段階では未定
2. 今後の注目点
- 軽減措置の適用時期
- 限界収益修正率を乗じないこととする「等」の詳細
- 「所要の措置」の詳細
内容につきましては、「平成28年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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