延滞税の計算期間の見直し

速報 平成28年度(2016年度)税制改正解説

1. 改正の概要

  • 最高裁判決(平成26年12月12日)を踏まえ、延滞税の計算期間の見直しが行われます。
    例えば、①納税者が申告及び納付(例:100)、②その後、申告税額が過大であるとして税務署長が減額更正(例:100⇒50)、③さらにその後、税務署長が増額更正(例:50⇒80)をした場合等については、延滞税の計算期間は、下図のとおり見直されます。

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(※1)同一事由とは、財産の評価誤り等を理由に減額の更正処分をした後、同様の事由について課税庁の判断を変更し、当初の申告額に満たない増額の再更正処分等をした事由をいいます。
(※2)増額更正までの期間については延滞税は課されません。ただし、更正の請求に基づく場合に限り、減額更正時から最大1年間の延滞税が課されます。
(注1)延滞税(延滞金)の計算期間の見直しは、国税だけでなく、個人住民税、法人住民税及び事業税についても適用されます。
(注2)当初申告税額(例:100)のうち、未納税額については、減額更正(別論点による更正の請求の場合には、その減額更正がされた日から1年を経過する日)までの期間、延滞税の対象になります。

〇 平成29年1月1日以後の期間に対応する延滞税について適用する。

(注3)延滞税の計算期間の見直しとあわせて、上図と同様の場合(当初申告⇒減額更正⇒増額更正等)における加算税の取扱いは、当初申告税額(例:100)までは課されないことが法令上明確化されます。

〇 平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税に係る加算税について適用する。

2. 実務上の留意点

  • 上図の同一事由のケースにおいて、過去に納付した延滞税のうち、還付請求権の消滅時効が完成する前の過去5年間(平成21年12月12日以後)に納付された延滞税にも遡及適用があり、還付対象となる納税者には、税務署から還付通知書が送付される。

 

 

内容につきましては、「平成28年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の財源等を確認する必要がある、相当等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。よろしくお願いします。

 

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