仮想通貨の課税関係の見直し
速報 平成29年度(2017年度)税制改正解説
1. 改正の概要
- (改正前)仮想通貨の譲渡は消費税法上の非課税取引として規定されていないため、課税資産の譲渡等に該当します。
- (改正案)実質的に支払・決済手段としての機能を有することを鑑み消費税が非課税になります。
- 平成29年6月30日に100万円(税抜)以上の仮想通貨を保有する場合には、直前購入による不当な仕入税額控除を防止する為、平成29年6月1日から平成29年6月30日の間に購入した仮想通貨について一部仕入税額控除の適用が制限されます。
取引の区分 | 改正前 | 改正案 |
仮想通貨を購入した場合 | 課税仕入れ (課税資産の譲渡等にのみ要する) |
非課税仕入れ |
仮想通貨を譲渡した場合 | 課税資産の譲渡等 | 非課税資産の譲渡等 |
〇 平成29年7月1日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等及び課税仕入れに適用される。
(※)仮想通貨とは、不特定多数間での物品購入・サービス提供の決済・売買・交換に利用できる財産的価値で、情報処理システムによって移転可能なものと定義されている。
【直前購入分についての仕入税額控除の制限】
仕入税額控除の適用ができない金額
=(平成29年6月30日の保有数量) - (平成29年6月1日から平成29年6月30日までの平均保有数量)
(※)平成29年6月30日に100万円(税抜)以上の仮想通貨を保有する場合に限る。
2. 実務上の留意点
- 仮想通貨の取引をした場合、課税売上割合が下がり、消費税の納税額が増加することが懸念される。
内容につきましては、「平成29年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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