法人税申告期限の見直し
速報 平成29年度（2017年度）税制改正解説
1. 改正の概要
- 株主の議案検討及び企業と投資家との対話の期間を諸外国並みに確保するため、特例による法人税申告の延長期限について、事業年度終了の日より3ヶ月以内から6ヶ月以内に見直されます。
＜対象となる法人（以下の二つの要件を満たす法人）＞
① 会計監査人を置いていること
② 定款等の定めにより、各事業年度終了の日の翌日から3月以内に決算についての定時総会が招集されない常況にあると認められること
| 内容 | 改正前 | 改正案 |
| 原則 | 事業年度終了の日から2ヶ月以内 | 改正なし |
| 特例 | 事業年度終了の日から3ヶ月以内 | 事業年度終了の日から6ヶ月以内 |
2. 実務上の留意点
- 法人事業税においても、同様の要件を満たせば、特例による申告の延長期限が事業年度終了の日より6ヶ月以内に見直されるため、法人事業税の延長についても考慮する必要がある。
3. 今後の注目点
- 適用要件が曖昧であるため、どのようなケースでこの特例の適用が受けられるかの確認が必要がある。
- 申告期限の延長手続については「所要の措置を講ずる」とされているため、その確認が必要である。
- これまで会計監査人を置いていない会社でも、法人税申告期限の延長の特例を受けられるケースがあったが、そのような会社について、引き続き改正後においても3か月以内の期限の延長であれば特例の適用を受けられるかの確認が必要である。
- 適用開始年度が明記されていないため、その確認が必要である。
内容につきましては、「平成29年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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