スクイーズアウトによるみなし配当課税の見直し

速報平成29年度（2017年度）税制改正解説

1. 改正の概要

自己株式の取得によるみなし配当事由が見直されます。

みなし配当事由となる自己株式の取得から除外されるもの

全部取得条項付種類株式導入への定款変更に反対する株主が、買取請求を行う場合の自己株式の取得

（※1）取得対価の割当て事項を知った後に行った場合で、かつ、買取請求をしなければ端株のみの交付を受ける場合に行うものに限る

〇平成29年10月1日以後に行われる自己株式の取得に適用される。

■ 平成27年度税制改正において、株式併合について反対株主の買取請求による自己株式の買取りをみなし配当事由から除外する改正が行われており、全部取得条項付種類株式と株式併合の課税関係を比較すると、下記の様になる。

（改正前）

	反対株主（買取請求した場合）	スクイーズアウトされた株主（端株部分の金銭を受けた場合）
全部取得条項付	みなし配当+株式譲渡損益	株式譲渡損益
株式併合	株式譲渡損益（平成27年度税制改正）	株式譲渡損益

（改正案）

	反対株主（買取請求した場合）	スクイーズアウトされた株主（端株部分の金銭を受けた場合）
全部取得条項付	株式譲渡損益（平成29年度税制改正）	株式譲渡損益
株式併合	株式譲渡損益	株式譲渡損益

2. 実務上の留意点

全部取得条項付種類株式でスクイーズアウトされる株主は、定款変更反対による買取請求もしくはスクイーズアウトによる端株受取のいずれを選択するかで税法上の取扱いが異なっていたが、改正後はいずれを選択しても変わらなくなる。

内容につきましては、「平成29年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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