地域中核企業向け設備投資促進税制の創設

速報平成29年度（2017年度）税制改正解説

1. 改正の概要

青色申告法人が、地域経済に波及効果のある新たな事業に挑戦するために一定の設備投資を行った場合、特別償却又は税額控除が適用できる制度が創設されます。

適用要件

① 青色申告法人
② 一定期間内に、その法人の特定承認地域中核事業計画（※1）に係る地域未来投資促進法（仮称）の同意地域中核事業促進地域（仮称）内において、特定地域中核事業施設等（※2）を新設し、又は増設した場合において、その特定地域中核事業施設等を構成する機械装置、器具備品、建物及びその附属設備並びに構築物を取得等すること
③ 一定期間内に、その地域中核事業（仮称）の用に供すること

（※1）特定承認地域中核事業計画とは、承認地域中核事業計画（仮称）のうち、地域未来投資促進法による一定の基準に適合することについて国の確認を受けたものをいう。
（※2）特定地域中核事業施設等とは、その法人の特定承認地域中核事業計画に定められた施設又は設備で、その計画に従って行う地域中核事業の用に供するもののうち、その取得価額の合計額が2,000万円以上のものをいう。

対象資産（※3）	特別償却	税額控除（※4）
機械装置・器具備品	取得価額×40％	取得価額×4％
建物・附属設備・構築物	取得価額×20％	取得価額×2％

（※3）対象資産の取得価額の合計額のうち、本制度の対象となる金額は100億円を限度とする。
（※4）当期の法人税の20%を限度とする。

〇企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律の改正法の施行日から平成31年3月31日までの間に設備投資し、事業供用した法人に適用される。

2. 実務上の留意点

所得税についても同様の改正が行われます。
特別償却を選択した場合は、法人住民税及び法人事業税に適用されますが、税額控除を選択した場合、中小企業者等に係る法人住民税のみに適用されます。
対象金額が2,000万円以上、100億円以下としていることから、ある程度大規模な設備投資を前提にしていると考えられます。

3. 今後の注目点

企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律の改正法の施行日はいつからなのか。また、その改正内容について。
地域未来投資促進法による一定の基準の内容及び国への確認方法についての具体的な内容。

内容につきましては、「平成29年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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