地方拠点強化税制

速報 平成29年度(2017年度)税制改正解説

1. 改正の概要

  • 地方活力向上地域において特定建物等を取得した場合の税額控除制度について、税額控除率を引き上げる措置の適用期限が1年延長されます。
  • 移転型事業の要件について、一部見直しが行われます。
  • 雇用促進税制のうち地方事業所基準雇用者数に係る措置(地方事業所税額控除限度額)が、拡充されます。
    ※ なお、所得税及び法人住民税についても同様の改正が予定されています。

 

【地方活力向上地域において特定建物等を取得した場合の税額控除】

内容 改正前 改正案
移転型事業における税額控除 (※1) 認定日が平成27年8月10日から
平成29年3月31日までの期間内
特定建物等の
取得価額×7%
(※1) 認定日が平成29年4月1日から
平成30年3月31日までの期間内
特定建物等の
取得価額×4%
特定建物等の
取得価額×7%
拡充型事業における税額控除 (※1) 認定日が平成27年8月10日から
平成29年3月31日までの期間内
特定建物等の
取得価額×4%
(※1) 認定日が平成29年4月1日から
平成30年3月31日までの期間内
特定建物等の
取得価額×2%
特定建物等の
取得価額×4%

(※1) 認定日とは、地方活力向上地域特定業務施設整備計画の認定を受けた日をいう。
(※2) 税額控除額は法人税額の20%を限度とする。
(※3) 特定建物等とは、建物及びその附属設備並びに構築物の取得価額の合計額が2,000万円以上(中小企業者等については、1,000万円以上)のものをいう。

○平成29年4月1日から平成30年3月31日までの期間内に地方活力向上地域特定業務施設整備計画の認定を受けた場合において、適用される(税額控除率を引き上げる措置の適用期限が1年延長)。

【移転型事業の要件の一部見直し】
特定業務施設における増加従業員の過半数が特定集中地域からの転勤者であることとの要件について、特定集中地域における従業員の減少人数を上限として、特定業務施設における新規雇用者の一部を特定集中地域からの転勤者とみなす。

 

【雇用促進税制(地方事業所税額控除限度額)の拡充】

h15図1(※1)新規雇用者数・・・・特定業務施設における新たな雇用者の数をいう。
(※2)新規雇用者総数・・・特定業務施設における新規雇用者数の合計をいう。
(※3)地方事業所基準雇用者数について
地方事業所基準雇用者数がその適用年度の基準雇用者数を超える場合には、その基準雇用者数とする。

(※4)地方事業所基準雇用者数を超える部分を除く。
(※5)新規雇用者総数の40%に達するまでの数が限度とされる。

2. 実務上の留意点

  • 地方事業所税額控除限度額についての計算構造が細分化されるため、当該限度額についての事前の確認を要する。

3. 今後の注目点

  • 特定集中地域からの転勤者とみなす「新規雇用者の一部」についての具体的な計算方法について、確認を要する。

 

 

 

内容につきましては、「平成29年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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