特定資産の買換特例の一部見直しと延長

速報 平成29年度(2017年度)税制改正解説

1. 改正の概要

  • 適用期限が平成29年3月31日から3年間延長されます。
  • 適用要件(対象資産、地域等)が一部見直し(縮減)されます。

※上記改正は九号と十号買換えの一部を除き所得税も同様

<適用要件の見直し>

号数 内容 変更点
一号 既成市街地等(内)から既成市街地等以外(外)への買換え
  • 譲渡資産
    事務所及びその敷地の用に供されている土地等を除外
  • 買換資産
    市町村が計画した都市機能誘導区域以外※の地域内にある誘導施設(土地等、建物等及び構築物)を除外
二号 市街化区域又は既成市街地等の内から外への農業用資産の買換え 経過措置を講じた上、適用期限の到来をもって対象から除外
七号 農用地区域内にある土地等の買換え
九号 長期所有(10年超)の土地等から国内の一定の土地等、建物、構築物等への買換え
  • 買換資産
    鉄道事業用車両運搬具について、貨物鉄道事業用の電気機関車に限定(その他の資産は改正なし)
十号 船舶から船舶への買換え
  • 譲渡資産
    一定の外航船舶及び一定の港湾作業船について対象から除外
  • 買換資産
    一定の内航船舶について対象から除外
  • 漁船
    経過措置を講じた上、適用期限の到来をもって対象から除外

(※) 都市機能誘導区域とは、都市再生特別措置法に基づきコンパクトな街づくりをコンセプトに各市町村が作成した立地適正化計画に記載された地域をいう。
平成28年8月1日時点では箕面市、熊本市、花巻市、札幌市が計画を作成・公表済み。平成28年度にその他115都市が作成・公表予定(国土交通省HPより)

〇 平成32年3月31日まで延長。

2. 実務上の留意点

  • 対象資産が見直されるため、適用要件ついて十分な検討を要する。
  • 既成市街地等以外への買換え特例(一号)について、各市町村の立地適正化計画(都市機能誘導区域)が順次公表されるため、譲渡前に区域の確認が必要。

3. 今後の注目点

  • 所要の経過措置の内容(二号、七号、十号)

 

<参考>長期所有(10年超)資産の買換え(九号)に関する過去の主要な改正経緯

改正度年 内容
平成24年度 買換資産の土地は、特定施設の敷地の用に供された土地で、300㎡以上のものに限定
平成27年度
  • 買換資産から機械装置が除外
  • 買換えの対象地域による圧縮割合の引下げ
    (通常80%、地方から大都市への買換え等一定の場合は75%または70%)。

 

内容につきましては、「平成29年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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