業績連動給与の手続きの見直し

速報 平成31年度(2019年度)税制改正解説

1. 改正の概要

(1) 趣旨

2017年度の税制改正により、利益連動給与から業績連動給与へと名称変更され、支給額の算定基礎として株価等を採用することができるようになったが、企業における業績連動給与の普及はそれほど進んでいない。
その要因の一つとして、報酬委員会等による報酬決定手続(適正手続要件)が厳格すぎるとの指摘がされていた。そこで、制度の普及を促すために、手続要件の緩和が行われる。

 

(2) 内容

<適正手続要件>

改正前 改正案
業務執行役員が報酬委員会等の委員でないこと 左記を撤廃し、業務執行役員が自己の業績連動給与の決定等に係る決議に参加していないことという要件を追加
新設 報酬委員会等の委員の過半数が独立社外役員であること及び委員である独立社外役員の全てが業績連動給与の決定に賛成していることを追加
監査役会設置会社における監査役の過半数が適正書面を提出した場合の取締役会の決定及び監査等委員会設置会社における監査等委員の過半数が賛成している場合の取締役会の決定が必要 左記を撤廃

2. 適用時期

2019年4月1日以後に支給に係る決議をする給与について適用する。
なお、2019年4月1日から2020年3月31日までの間に支給に係る決議をする給与については、現行の手続きによる損金算入を認める経過措置を講じる。

3. 実務上の留意点

今回の改正で要件が緩和されることにより、業績連動給与の普及が期待されるが、改正後も「業務執行役員が自己の業績連動給与の決定等に係る決議に参加していないこと」が要件であるため注意が必要である。

 

 

内容につきましては、「平成31年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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