NISAの利便性向上等
速報 平成31年度(2019年度)税制改正解説
1. 改正の概要
(1) 居住者等の一時的な出国におけるNISA口座の継続利用
改正前のNISA(一般NISA、つみたてNISA)口座は、居住者等が海外転勤等により一時的に出国する場合、NISA口座から課税口座へ移管しなければならなかった。改正案では、居住者等がその出国の日の前日までに「継続適用届出書」を提出することで、その出国時から次の①または②のいずれか早い日までの間は居住者等に該当する者とみなして引き続きNISA口座を利用できるようになる。
①「帰国届出書」を提出する日
② 当該継続届出書を提出した日から起算して5年を経過する日の属する年の12月31日
(注1)国外転出する場合の譲渡所得等の特例(国外転出時課税)の対象となる者は「継続適用届出書」を提出できない。
(注2)「帰国届出書」を提出する日までは、上場株式等を受け入れることができない。
(注3)継続届出書を提出した者が、当該届出書を提出した日から5年を経過する日の属する年の12月31日までに帰国届出書を提出しなかった場合には、同日においてその者が「非課税口座廃止届出書」を提出したものとみなす。
(2) 成年年齢の引き下げに伴う、NISAおよびジュニアNISAの年齢要件の引き下げ
2022年4月1日に施行される成年年齢の引き下げの民法改正に伴い、NISA口座を開設することができる年齢要件をその 年1月1日において18歳以上(改正前:20歳以上)へ引き下げる。
また、同様にジュニアNISA口座の開設をすることができる年齢要件をその年1月1日において18歳未満(改正前:20歳未満)へ引き下げる。
2. 適用時期
1(1)については、大綱に明記がないが、2019年4月1日以後に適用されると考えられる。
1(2)については、2023年1月1日以後に設けられるNISA口座について適用される。
3. 実務上の留意点
1(1)の留意点は、次のとおりである。
① 5年を経過する日の起算日が出国した日ではなく、「継続届出書」の提出日であることに注意が必要である。
② 5年以内に帰国をしていた場合でも、継続するためには「帰国届出書」を提出しなければならない。
4. 今後の注目点
出国した日から帰国届出書を提出する日までの間に非課税期間が終了した場合、ただちに課税口座へ移管されるのか は今後の法令等の確認が必要である。
内容につきましては、「平成31年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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