税務当局による情報提供要請権限の拡充
速報 平成31年度(2019年度)税制改正解説
1. 改正の概要
税務当局による情報照会の仕組み
税務当局により実務上行われていた、事業者等に対する任意の照会について、事業者等に国税に関する調査に参考とな る帳簿書類等の閲覧又は提供の協力を求めることができることを法令上明文化される。
また、次の場合には、事業者等に取引者の氏名又は名称、住所又は居所及び個人番号又は法人番号の報告を求めることができるようになる。
(事業者等に対し報告を求めることできる場合)
この報告によらなければ取引者を特定することが困難であり、かつ、①~③のいずれかに該当する場合
① 取引者と同種の取引を行う者(その取引に係る課税標準等が年間1,000万円超の者に限る)に対する国税調査の結果、半数以上の者について、その取引に係る課税標準等・税額等の更正決定等をすべきと認められる場合
② 特定の取引が違法な申告のために用いられるものと認められる場合
③ 不合理な取引形態により違法行為を推認させる場合
なお、事業者等は報告の求めに対して、拒否又は虚偽報告等を行った場合には、国税通則法に規定する検査拒否等の場合と同様の罰則が適用される。
2. 適用時期
2020年1月1日以後行われる協力又は報告の求めについて適用する。
3. 今後の注目点
主として仮想通貨交換業者等を対象と想定しているが、現状行われている任意の照会についても規定の整備が行われる ことから、仮想通貨交換業者等以外の事業者等に対しても、同様の情報提供を要請されることが考えられる。
内容につきましては、「平成31年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
税制改正の最新情報など、山田&パートナーズの税務情報のニュースレター登録は以下から