法人に係る消費税の申告期限の特例の創設

速報 令和2年度(2020年度)税制改正解説

1. 改正の概要

(1) 内容

法人について、消費税の確定申告書の提出期限の特例(1か月の延長)が創設される。
納付については、延長された期間(1か月分)に係る利子税を併せて納付する必要がある。

図6-Sep-11-2023-06-39-19-9464-AM

(要件)
① 法人税の確定申告書の提出期限の延長の特例の適用を受ける法人であること。
② 消費税の確定申告書の提出期限を延長する旨の届出書を提出すること。

 

(提出期限の延長が認められる課税期間)
その提出をした日の属する事業年度以後の各事業年度の末日の属する課税期間

 

図7-4

 

(2) 目的

法人税には提出期限の延長が認められている一方、改正前の消費税には延長が認められていない。
そのため、延長された法人税と消費税の申告期限が異なることとなり、消費税の申告後に、決算額が変動したことにより、修正申告や更正の請求を行う必要があるなどの事務負担が生じていた。この事務負担を削減することが目的である。

2. 適用時期

2021年(令和3年)3月31日以後に終了する事業年度の末日の属する課税期間から適用する。

3. 実務上の留意点

納付については、延長期間(最大1か月)における利子税が発生するため、実務上は、法人税と同様、見込納付を行うことが想定される。

4. 今後の注目点

① 税制改正大綱には、「その他所要の措置を講ずる」と記載があるが、その内容は不明である。
② 法人税の申告期限は最大4か月延長可能であるが、消費税の延長期間についても同様に最大4か月まで認められる可能性があるか。


 

内容につきましては、「令和2年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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