低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除の創設

速報令和2年度（2020年度）税制改正解説

1. 改正の概要

(1) 内容

個人が都市計画区域内にある低未利用土地等(注1)を譲渡した場合において、下記（2）の要件を満たすときは、その年中の低未利用土地等の譲渡に係る長期譲渡所得の金額から100万円を控除(注2)できる制度が創設される（住民税も同様）。
(注1) 低未利用土地又はその土地の上に存する権利をいう
(注2) 長期譲渡所得の金額が100万円に満たない場合には、当該長期譲渡所得の金額を控除

(2) 適用要件

項目	内容
市区町村の長の確認	低未利用土地等であること及び譲渡後の低未利用土地等の利用について市区町村の長の確認がされていること
所有期間	譲渡する年の1月1日において所有期間が5年を超えていること
譲渡の相手方	売主の配偶者その他のその売主と一定の特別の関係がある者に対する譲渡でないこと
譲渡対価	譲渡対価の額が500万円以下であること（低未利用土地等の上にある建物等の対価の額を含む）
前年以前の適用の有無	適用を受けようとする低未利用土地等と一筆の土地から分筆された土地等について、その年の前年又は前々年にこの制度の適用を受けていないこと

2. 適用時期

以下の①又は②のいずれか遅い日から2022年（令和4年)12月31日までの間の譲渡について適用する。
① 土地基本法等の一部を改正する法律（仮称）の施行の日　
② 2020年(令和2年)7月1日

3. 実務上の留意点

低未利用土地等とその上にある建物等を一括譲渡した場合には、建物等の譲渡に係る譲渡所得の金額からは控除できない。

4. 今後の注目点

低未利用土地等の定義及び市区町村の長による確認方法について、今後の情報を確認する必要がある。
本制度の適用にあたり、各種特例との重複適用の可否、共有の場合の譲渡対価の額の判定方法及び適用要件を満たすことを証明する書類の添付の要否を確認する必要がある。

内容につきましては、「令和2年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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