押印義務の見直し
速報 令和3年度(2021年度)税制改正解説
1. 改正の概要
(1) 趣旨・背景
行政コストの削減や感染症の拡大防止を図る観点から、税務手続きの負担軽減、対面手続きの省略が求められる。そこで、納税者等の押印が必要とされていた税務関係書類について、一部を除き、押印が不要とされる。
(2) 内容
押印が廃止される主なもの | 押印手続きが存続する主なもの | |
廃止・存続の理由 | 認印で可とされてきたため廃止 | 実印と印鑑証明書の提出を求められているため存続 |
手続き書類名 | ・確定申告書、修正申告書、更正の請求書 ・給与所得者の保険料控除申告書 ・給与所得者の扶養控除等申告書 ・国税、地方税の各届出書・申請書 ・延納申請書、物納申請書 |
・遺産分割協議書(※1) ・所有権移転登記承諾書(※2) ・抵当権設定登記承諾書(※3) ・納税保証書(※3) ・質権設定の承諾書(※3) |
(※1)相続税申告書に写しを添付する。
(※2)相続税の物納申請の手続き等で必要となる。
(※3)延納申請、納税猶予の手続き等で必要となる。
2. 適用時期
2021年(令和3年)4月1日以後に提出する税務関係書類について適用される。
※2021年(令和3年)3月31日以前においても、今回の改正で押印が不要とされた税務関係書類については、押印がない場合であっても、改めて押印は求められない。
3. 今後の注目点
① 納税者や税理士の署名も不要とされるか(署名について大綱には記載なし)。
② 税務代理権限証書への押印は不要とされるか。
③ 押印廃止に伴って、納税者の意思を担保する手続きの追加や添付書類の追加があるのか。
内容につきましては、「令和3年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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