結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置の見直し(課税強化し2年延長)

速報 令和3年度(2021年度)税制改正解説

1. 改正の概要

(1) 改正のポイント

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置の節税利用目的を是正した上で、適用期間を2年延長する。

(2) 改正の内容

① 受贈者が孫・ひ孫の場合:贈与者死亡時の相続税額の2割加算の適用
贈与者死亡時に、受贈者が孫・ひ孫で、贈与資金のうちに結婚・子育て資金として費消されていない残額がある場合
・改正前:残額が相続税の対象。ただし、「2割加算」の適用なし
・改正後:残額が相続税の対象。かつ、「2割加算」の適用あり

② 受贈者の年齢要件の下限の引き下げ
受贈者の年齢要件が、「20歳以上50歳未満」から「18歳以上50歳未満」と、下限が引き下げとなる。

2. 適用時期

上記1.(2)①については2021年(令和3年)4月1日以後の、上記1.(2)②については2022年(令和4年)4月1日以後の贈与等により取得する金銭等について適用し、制度の適用期間を2023年(令和5年)3月31日まで2年延長する。

3. 制度の概要

図2-Aug-31-2023-05-19-49-4811-AM

4. 実務上の留意点

  • 2021年(令和3年)3月31日までに行った贈与等については、今年度の改正の適用対象外となる。
  • 贈与等の時期により、受贈者が孫・ひ孫である場合の2割加算の適用について相続時の取り扱いが異なる可能性があるため、いつ行われた贈与等であるかを相続時に確認する必要がある。
    相続の発生は贈与等から数十年後となる可能性もあるため、注意が必要である。

5. 今後の確認事項

改正の2割加算の対象者が「子以外の直系卑属に相続税が課される場合」となっているが、そのうちに代襲相続人である「子以外の直系卑属」が対象となるのかどうかが大綱には明記されていない。

 

 

内容につきましては、「令和3年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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