認定住宅等の新築等をした場合の所得税額の特別控除の延長・見直し
速報 令和4年度(2022年度)税制改正解説
1. 改正の概要
(1) 趣旨・目的
2050年カーボンニュートラルの実現に向けた対策として、住宅の省エネ・省CO2化への取り組みは重要であり、政府が平成30年7月に閣議決定したエネルギー基本計画においては、「2030年までに新築住宅の平均でネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の実現を目指す」とする政策目標が設定されている。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)とは、「住まいのエネルギー収支をゼロにすることを目指した住宅」をいう。(高断熱・高気密で省エネし+高効率な設備でエネルギーを抑え-太陽光発電などでエネルギーを創る≦エネルギー収支ゼロ)
(経済産業省・国土交通省・環境省HPより)
(2) 認定住宅等の新築等をした場合の所得税額の特別控除の延長・見直し
居住の用に供した年分に適用される税額控除の特例措置について、適用期限が2年間延長されるとともに、対象住宅にZEH水準省エネ住宅が追加される。
居住年 | 認定住宅の範囲 | 控除対象限度額 | 控除率 | 最大控除限度額 | |
改正前 | 2014年(平成26年) ~2021年(令和3年) |
認定長期優良住宅 認定低炭素住宅 |
650万円 | 10% | 65万円 |
改正後 | 2022年(令和4年) 2023年(令和5年) |
認定長期優良住宅 認定低炭素住宅 ZEH水準省エネ住宅 |
650万円 | 10% | 65万円 |
※認定住宅等の新築等に係る消費税額等が8%又は10%以外の場合の控除対象限度額は500万円となる。
(注)認定住宅等の新築等に係る住宅ローン控除を適用する場合には、本特例は適用できない。また、本特例を適用後に住宅ローン控除との選択替えもできない。
2. 適用時期
2年間延長され、「2023年(令和5年)12月31日までの間に居住の用に供したとき」が対象となる。
3. 今後の注目点
適用要件のうち所得要件と床面積要件について、住宅ローン控除の適用要件と同様に整備されるのかを確認する必要がある。
本特例の改正前の適用要件 | 住宅ローン控除の改正後の適用要件 | |
所得要件 | 合計所得金額 3,000万円以下 |
合計所得金額 2,000万円以下 |
床面積要件 | 50㎡以上 | 合計所得金額1,000万円以下の場合は 40㎡以上※ |
※2023年(令和5年)までに建築確認を受けた新築住宅に限る。
内容につきましては、「令和4年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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