中小企業投資促進税制の延長

速報 2025年度(令和7年度)税制改正解説

1. 改正のポイント

(1) 趣旨・背景

中小企業者等は地域の経済や雇用を支え、我が国経済全体を発展させる重要な役割を担っている。一方で少子高齢化の進展に伴う労働力人口の減少等により中小企業を取り巻く環境は厳しく、足下では生産性が低迷し事業の持続的発展が懸念される。このような状況下において、生産性の向上を図り積極的な設備投資を促すため特別償却等の税制上の措置が不可欠である。

(2) 内容

① 中小企業投資促進税制について、適用期限を2年延長する

② 一定の承認会社が農地所有適格法人の発行済株式総数の50%を超える株式を有する場合には、当該株式を除外して、農地所有適格法人における「みなし大企業(制度対象外)」の判定を行う。

※「一定の承認会社」とは、農林漁業法人等に対する投資の円滑化に関する特別措置法に規定する承認会社のうち地方公共団体、農業協同組合、農業協同組合連合会、農林中央金庫又は株式会社日本政策金融公庫がその総株主の議決権の過半数を有しているものをいう。

 

2. 適用時期

2027(令和9)年3月31日までの間に事業の用に供した資産に適用される。

 

3. 実務のポイント

  • 本制度の適用対象法人及び適用対象設備に注意が必要である。
  • 確定申告時に所定の明細書を添付する必要がある。

 

  中小企業投資促進税制
対象企業 青色申告書を提出する中小企業者等
※(資本金1億円以下の法人又は農業協同組合等)
対象事業(指定事業) ・主に製造業・建設業・小売業・卸売業・サービス業等が対象
・下記の事業等は対象外
電気業、熱供給業、水道業、娯楽業(映画業を除く)、鉄道業、航空運輸業、銀行業
適用要件 一定の対象設備の取得等をし、指定事業の用に供すること
対象設備・金額要件等 建物・構築物
機械装置 1台160万円以上
ソフトウェア 合計70万円以上
器具備品
建物附属設備
工具 1台30万円以上かつ合計120万円以上
普通貨物自動車 車両総重量3.5t以上
内航船舶 取得価額の75%が対象
特別償却率 30%
税額控除率 特定中小企業者等 7%
上記以外 適用不可
適用期限 2027(令和9)年3月31日までの間に事業の用に供した資産に適用される。

※ 対象設備から次の設備は除外する
① コインランドリー業(主要な事業であるものを除く。)の用に供する機械装置でその管理のおおむね全部を他の者に委託するもの
② 対象資産について、総トン数500トン以上の船舶にあっては、環境への負荷の低減に資する設備の設置状況等を国土交通大臣に届け出た船舶に限定する

 

 

内容につきましては、「令和7年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

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