政府は森林整備の経費に充てる「森林環境税」について、令和6年(2024年)度税制改正において自治体間での配分を見直す方向で検討に入るという報道がありました。
森林環境税は、パリ協定の枠組みの下における我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るための森林整備等に必要な財源を確保する観点から、創設されました。
住民税に年1千円を上乗せして集めるもので、2024年度から新たに徴収される予定ですが、自治体への配分は、特別会計を財源に2019年度から先行して始まっています。
出典:林野庁「森林環境税及び森林環境譲与税の仕組み」
森林環境税はその全額が市区町村と都道府県に配られ、その配分基準は、私有林人口面積50%、林業就業者数20%、人口30%です。そのため、東京都のように森林が少ない自治体でも、人口が多ければ一定の金額が配分されることになります。
出典:林野庁「令和3年度における森林環境譲与税の取組状況について」「令和4年度 森林・林業白書」より筆者作成
森林を抱えながら人口過疎に悩む自治体からは不満の声があがっており、林野庁では本来の目的に合わせて山間部への配分を手厚くするなど、配分基準の見直しを検討し、2024年度の税制改正要望に盛り込む方向で調整しているそうです。