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2010年3月22日

  • 税の最新情報

国税局、大手コンピューター製造販売会社に過去最大級の申告漏れ指摘

大手コンピューター製造販売会社の企業グループが、東京国税局の税務調査を受け、5年間で4千億円超の申告漏れを指摘されたという報道がありました。


報道によりますと、同社の親会社は、所有する同社株式の一部を、購入時より安く同社に売却しました。同社にとっては自社株の購入になるので、多くの場合、売却した同社親会社において、通常の株式売買以上に税務上の赤字が生じます。その結果、同社親会社は巨額の赤字を計上しました。同社企業グループは、企業グループの所得の損益を合算して申告・納税する連結納税制度を導入しており、連結初年度には、この同社親会社の赤字と同社の黒字が相殺され、グループの法人税納税額はゼロになったそうです。


これに対し、税務当局は、同社の親会社には企業としての実態が乏しく、同社の自社株取引で赤字を作り、連結納税制度と組み合わせて、意図的に税負担の軽減を図った「法令の濫用」と判断したようです。


平成22年度の税制改正により、親会社が100%子会社にその子会社株式を売却した際の赤字計上は認められないため、今後、同社グループのやり方は規制されます。今回の税務当局の指摘は、税制改正前の、条文で明確に禁止されていない状態での課税処分となり、議論をよびそうです。


この申告漏れ額は過去最大規模とみられています。同社は、税務当局の処分を不服として国税不服審判所に審査請求する方針です。今後の行方が注目されます。

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