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2011年5月9日

  • 税の最新情報

財務相 所得税「扶養控除」復活を示唆

 財務相が参院財政金融委員会で、子ども手当の見直しについて、「扶養控除との関係も検討の対象になる」と述べ、扶養控除を復活させる可能性を示唆したという報道がありました。
 政府は、子ども手当の導入に伴い、年少扶養控除を今年1月(住民税は12年6月)に廃止しています。年少扶養控除は、15歳以下の子どもを扶養している場合、課税対象となる所得から一定額を差し引くことで税金を少なくするものです。政府は、より直接的に子育て世代を支援しようという趣旨で、年少扶養控除に替えて現物支給である子ども手当制度を導入しました。
 子ども手当は、時限立法である「子ども手当法」に基づいて支給されています。政府は、11年度に3歳未満児への支給額を月2万円とするための法案を国会に提出していましたが野党の反対で成立を断念し、10年度の支給額(月1万3千円)を9月まで延長する「つなぎ法」を社民党などの協力を得て成立させています。しかし、「つなぎ法」の期限が切れる10月以降は、東日本大震災の復興に多額の予算が必要となるため財源確保が困難と判断し、子ども手当を廃止する方向で調整しているようです。
 時限立法である子ども手当法が廃止されると、恒久法の児童手当法に基づき、所得制限のある児童手当が自動的に復活しますが、その場合、年少扶養控除の廃止により負担増となる世帯の増えることが予想されます。そこで、子ども手当の見直しを検討する際には、年少扶養控除の復活も合わせて検討すべきという趣旨のようです。

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