2012年6月25日
- 税の最新情報
税務訴訟、国敗訴率は13.4%に
異議申立ての処理件数4511件(同比△4.96%)のうち、納税者の主張が何らかの形で受け入れられた割合は8.3%と、前年度を1.7ポイント下回っています。
一方、不服審判所へ審査請求を行い、処理された2807件のうち、納税者の主張が何らかの形で受け入れられた割合は13.6%と前年度を0.7ポイント上回りました。
訴訟の終結状況をみると、納税者の主張が何らかの形で認められた割合(国敗訴率)は13.4%と前年度を5.8ポイント上回り、最近10年間では3番目に高い割合となりました。
納税者の主張が何らかの形で受け入れられた訴訟には、米国デラウェア州のLPS事件が多く含まれています。これは、米国デラウェア州に設立された不動産賃貸業を営むリミテッド・パートナーシップ(LPS)は日本の租税法上の「法人」に該当するのか、が争われた事件です。法人であれば、損益は法人であるLPSに帰属するため、原告らの他の所得とLPSに係る損失との損益通算は認められないが、法人でなければ構成員課税となるため、原告らの他の所得とLPSに係る損失との損益通算が認められます。
このLPS事件を巡っては、大阪地裁判決のように国の主張を認める判決もあり、司法の判断が分かれています。現在も係争中であり、その判決状況によっては、来年度の国側敗訴率に影響があるかもしれません。
※文中赤字箇所 7月4日 国税庁ホームページの訂正に基づき、修正