2012年8月20日
- 税の最新情報
財務省と金融庁 債券、株と一体課税を要望へ
財務省と金融庁が、個人の所得課税において、債券を譲渡した際の損益を他の金融所得の損益通算の対象に加える方針という報道がありました。
現在、債券の譲渡損益は原則として非課税です。債券を譲渡し、譲渡益が出ても課税されませんが、譲渡損が生じても、株式等の譲渡損益と通算することはできません。改正が実現すれば、債券の譲渡益も課税対象になりますが、売却で損が出た場合には株式の配当益等から差し引けるようになります。
従来、国債や社債といった債券は、満期まで保有するケースが多く、債券の譲渡益への課税はなじまないとされてきました。しかし、現実には、現金が必要になり、満期前に債券を譲渡するケースもあると考えられます。
債券は金利が上がると価格が下がる傾向にありますが、債券価格が下落して、債券の売却により譲渡損が生じた場合には、他の金融所得と損益を通算し、税負担を減らしたいという要望が以前からありました。
ただし、実際に改正されるかどうかについては、現時点では不明です。財務省は、現行の債券税制を改正するよう、平成17年度税制改正から要望してきました。今回も、まずは平成25年度税制改正において要望を出し、議論されます。実際に改正されるかは、今後の議論次第です。