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2013年6月3日

  • 税の最新情報

財務省発表 平成25年度税制改正で、立法ミス

 財務省は5月30日、平成25年度税制改正について、立法ミスがあったという記者会見を開きました。バリアフリー税制の適用限度額を改正する際のミスです。


 バリアフリー税制は、バリアフリー改修工事を行い、その家屋を居住の用に供したとき、一定の要件を満たせば、そのバリアフリー改修工事に要した費用の額とそのバリアフリー改修工事の標準的な費用の額のいずれか少ない金額(限度額あり)の10%に相当する金額を、その年分の所得税額から控除するというものです。


 平成24年12月31日で適用期限が到来する制度でしたが、平成26年4月に予定する消費増税の影響を和らげるため、政府は制度の延長を決定しました。控除限度額の上限は、引き続き15万円(150万円×10%)とし、消費税が上がる平成26年4月に20万円(200万円×10%)とする予定でした。


 具体的に条文を見ると、改正法は、適用を「平成26年4月1日から平成29年12月31日までの間にその者の居住の用に供した場合」とした上で、次のような経過措置を設けています。
  「平成26年4月1日前に同条第1項又は第2項の定めるところによりその者の居住の用
   に供した場合の所得税については、なお従前の例による。」


 では、改正前の条文は、バリアフリー税制の所得税についてどう規定していたのでしょうか。
所得税の額から控除する金額の限度額について、次のように規定しています。
  「次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額(当該金額が200万円を超える場合には
   200万円とし、平成24年分については、当該金額が150万円を超える場合には
  150万円とする。)の10%に相当する金額」


 つまり、平成26年4月1日前に居住の用に供した場合の控除限度額は、平成24年分を除き、 200万円の10%に相当する金額となります。
 本来であれば、経過措置を規定する際、「なお従前の例による」の後に、平成25年1月1日から平成26年3月31日までの間に居住の用に供した場合には「200万円を150万円に読み替える」という規定が必要でした。


 当初の予定通りに法律を修正すると、納税者にとっては不利益な改正となります。すでに工事を行っている人がいる可能性もあるため、財務省では、法律修正をしない方針です。結果として、当初の予定より、1年3か月前倒しで上限額が引き上げられることになりました。 財務省は、最大1億円の減収になると見込んでいます。税収に与える影響が気になるところです。


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