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2013年6月10日

  • 税の最新情報

財務省、税制改正法の第2弾となる政省令を公布

 平成25年度税制改正法の関係政省令、第2弾が5月31日に公布されました。第1弾は、税制改正法と同じ3月30日に公布されています。


 平成25年度税制改正では、相続税の特例である「小規模宅地の特例」が改正されましたが、それに関する政省令が公布されておらず、その公布が待たれていました。


 小規模宅地の特例とは、亡くなった方、すなわち被相続人が、相続開始の直前において、居住用に使用していた宅地や事業用に使用していた宅地を相続人等が相続した場合、その土地の相続税の課税対象額が減額される特例をいいます。居住用に使用していた宅地については、面積の上限はありますが評価額の80%が減額されます。面積の上限は、平成25年度税制改正により、従来の240㎡から330㎡に拡大されました(平成27年1月1日以後の相続等より適用されます)。


 平成25年度改正では、被相続人が老人ホームに入所していた場合など、小規模宅地の特例の対象となる居住用宅地についても範囲が拡大され、その詳細が5月31日公布の政省令で明らかになりました。


<被相続人が老人ホームに入所していた場合>
 被相続人が自宅を空き家にして老人ホームに入所していた場合、その自宅の敷地がなお「相続開始直前において被相続人が居住していた建物の敷地」といえるかどうかについて、従来の国税局の見解は下記の通りでした。


【従来の取扱い】
  被相続人が居住していた建物を離れて老人ホームに入所した場合、被相続人の生活の拠点も老人ホームに移転したものと考えられるため、原則として空き家となった自宅の敷地は小規模宅地特例の適用対象とはならない。
  ただし、老人ホームへ入所しているものの、病気治療のために病院に入院したのと同様と考えられるケースもあり、下記の要件を満たす場合は、被相続人が居住していた自宅の敷地を相続開始直前に被相続人が居住していた家屋の敷地に該当するとみなし、小規模宅地特例の適用を認める。
  (1)被相続人の身体又は精神上の理由により介護を受ける必要があるため、
     老人ホームへ入所することとなったものと認められること。
  (2)被相続人がいつでも生活できるようその建物の維持管理が行われていたこと。
  (3)入所後あらたにその建物を他の者の居住の用その他の用に供していた事実が
     ないこと。
  (4)その老人ホームは、被相続人が入所するために被相続人又はその親族によって
     所有権が取得され、あるいは終身利用権が取得されたものでないこと。


【改正後の取扱い】
 改正後は、この一定の要件を緩和するシンプルな規定を設けました。すなわち、相続の開始の直前において、政令で定める事由により被相続人の居住の用に供されていなかった場合も、被相続人の居住の用に供されていた場合に含むとしました。
 政令で定める事由とは、次の通りです。
   一 要介護認定又は要介護支援認定を受けていた被相続人が次に掲げる居住
     または施設に入居又は入所していたこと。
    イ 認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、養護老人ホーム、
      特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム又は有料老人ホーム
    ロ 介護老人保健施設
    ハ サービス付き高齢者向け住宅(イに規定する有料老人ホームを除く。)
    二 障害者支援区分の認定を受けていた被相続人が障害者支援施設又は共同生活援助を
      行う住居に入所又は入居していたこと。


 ただし、老人ホーム等への入所等後、その居住していた建物等に他の人が居住している、あるいはその建物等を他の人に貸付けている場合には、小規模宅地の特例は受けられません。


 なお、この改正は、平成26年1月1日以後の相続等より適用されます。


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