2013年11月5日
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国税庁発表 法人税の実地調査件数、3割減少
国税庁は、「平成24事務年度における法人税等の調査事績」を公表しました。これによりますと、大口・悪質な不正計算が想定されるため調査必要度が高いとされた9万3千法人(前年度比△27.4%)に実地調査をした結果、6万8千件(同△26.0%)から総額9,992億円(同△15.0%)の申告漏れが発見されました。調査件数が前年度に比べると約3割減少したため、申告漏れ金額等も減少しています。
業種別にみると、不正発見割合の高い業種では、「バー・クラブ」が45.4%と11年連続のワースト1位となりました。次いで「パチンコ」29.8%、以下「土木工事」29.1%の順となっています。
1件あたりの不正脱漏所得金額が大きい業種では、1位は「非鉄金属製造」5,626万円、「パチンコ」5,039万円、次いで「電気通信機械器具卸売」3,524万円、以下「自動車・同付属品製造」3,145万円、「貿易」2,849万円、「再生資源卸売」2,662万円と続いています。「バー・クラブ」は、不正発見割合の高い業種では1位となりましたが、金額が相対的に少ないため、不正脱漏所得金額が大きい業種の上位には入っていません。
一方、海外との取引を巡って申告漏れを指摘された企業は3,309社(同△9.7%)で、申告漏れの総額は全体のほぼ4分の1に当たる2,452億円(同△14.8%)に上っています。海外の取引先への外注費を架空に計上するなどの不正計算を行うものが見受けられたようです。国税庁は租税条約等に基づく情報交換制度を積極的に活用するなど、深度ある調査に取り組むとしています。
また国税庁では、調査を行うにあたり、国民の公平感を著しく損なうものとして、事業を行っているにもかかわらず申告していない法人、無申告法人に対して重点的に調査を行ってきたようです。そのうち、廃業を装うため所轄税務署管内の店舗を閉鎖するほか代表者自身も関係のない法人の従業員を偽るなどした事案を含め、稼動している実態を隠し、意図的に無申告であったものが278件(同△31.9%)あり、法人税23億円(同△47.9%)、消費税7億円(同△48.1%)の追徴課税をしています。
調査件数が大幅に減少しているのは、国税通則法が改正され、税務調査における手続きの事務量が増えたことが影響していると考えられます。今後は、より調査必要度の高い法人に重点的に調査が行われそうです。