2020年4月17日
- 税の最新情報
【新型コロナ関連】生活困窮者等に自社製品等を提供した場合の法人税の取扱い
国税庁は、当面の申告や納税などに関して寄せられた質問等を、「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」として取りまとめ、公表しています。
このFAQは、随時更新されています。今回は4月13日に更新された「生活困窮者等に自社製品等を提供した場合」の法人税の取扱いについてご紹介します。
問 <<企業が生活困窮者等に自社製品等を提供した場合の取扱い>>
当社では、新型コロナウイルス感染症に関連して、今般の感染症の流行が終息するまでの間の緊急支援の取組みとして、自社製品(食料品)を学童保育施設、子供食堂、社会福祉施設、生活困窮者支援団体、フードバンク活動を行う団体などに対して無償で提供し、施設へ通う子供達や生活困窮者等への支援を行う予定です。
このような支援のために行った自社製品の提供に要する費用は、法人税の取扱上、寄附金以外の費用として、その提供時の損金の額に算入することができるでしょうか。
答
貴社が行う自社製品等の提供が、今般の新型コロナウイルス感染症に関する対応として、
①不特定又は多数の生活困窮者等を救援するために
②緊急、かつ、今般の感染症の流行が終息するまでの間に限って行われるもの
であれば、その提供に要する費用(配送に係る費用も含みます。)の額は、提供時の損金の額に算入して差し支えありません。
※ 自社製品等には、他から購入した物品やサービスの提供を業務とする法人が行う役務の提供も含みます。
フードバンクへ食品を提供した場合、従来より、一定の条件を満たせば、その提供に要する費用は、税務上の損金として計上することが出来ました。
ただし、それは「実質的に自社の商品廃棄として行われるもの」に限定されています。具体的には、下記のような事実関係が認められるケースです。
1.社内ルール等に従って廃棄予定の食品をフードバンクが回収するものであり、自社にとって、実質的に商品の廃棄処理の一環で行われる取引であること。
2.自社とフードバンクとの合意書において、提供した食品の転売等の禁止や、その食品の取扱いに関する情報の記録及び保存、結果の報告などのルールを定めており、提供した食品が目的外に使用されないことが担保されていること。また、自社において提供した食品の使途が確認できること。
新型コロナウイルス感染症に関する対応として行う場合には、その影響の大きさとひっ迫している状況を鑑み、従来とは異なる条件を設け、その条件(上記①及び②)を満たす場合に限り、法人税の取扱上、寄附金に該当せず、税務上の損金として計上することができる旨を明らかにしています。