2020年4月22日
- 税の最新情報
【新型コロナ関連】国等から助成金が支給された場合の所得税の取扱い(R4.2/3更新)
国税庁は、当面の申告や納税などに関して寄せられた質問等を、「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」として取りまとめ、公表しています。
今回は「個人に対して国や地方公共団体から助成金が支給された場合」の所得税の取扱いについてご紹介します(R4.2/3更新)
問 <<個人に対して国や地方公共団体から助成金が支給された場合の取扱い>>
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、国や地方公共団体から個人に対して助成金が 支給されることがありますが、こうした助成金は所得税の課税対象となりますか 。
答
国や地方公共団体からの 助成金については、 個別の助成金の事実関係によって、次のとおり課税関係が異なります。
【非課税となるもの】
次のような助成金(助成金には、商品券などの金銭以外の経済的利益を含みます。以下同じです。)は、非課税となります。
① 助成金の支給の根拠となる法令等の規定により、非課税所得とされるもの
② その助成金が次に該当するなどして、所得税法の規定により、非課税所得とされるもの
・ 学資として支給される金品(所得税 法9条1項 十五 号)
・ 心身又は資産に加えられた損害について支給を受ける相当の見舞金 (所得税法9 条1項 十七 号 )
【課税となるもの】
上記の非課税所得とならない助成金については、次のいずれかの所得として所得税の課税対象になります。
① 事業所得等に区分されるもの
例えば、事業者の収入が減少したことに対する補償や支払賃金などの必要経費に算入すべき支出の補填を目的として支給するものなど、業務上の取引に関連して支給される助成金
(注)補償金の支給額を含めた1年間の収入から経費を差し引いた収支が赤字となる場合などには、税負担は生じません。また、支払賃金などの必要経費を補填するものは、支出そのものが必要経費になります(つまり、助成金と必要経費が相殺されるため、結果的に助成金について課税は生じないことになります)。
② 一時所得に区分されるもの
例えば、臨時的に一定の所得水準以下の方に対して支給するなど、業務上の取引に関連しないもので、一時に支給される助成金
(注)一時所得については、所得金額の計算上、 50 万円の特別控除が適用されることから、他の一 時所得とされる金額との合計額が 50 万円を超えない限り、課税対象になりません。
③ 雑所得に区分されるもの
上記 ①・②に該当しない助成金
所得税法上、非課税となるのは法律で決められたものに限られます(限定列挙)。そのため、法令等により所得税を非課税とする規定がないものについては、所得税が課税されます。 所得税が課税される場合には、助成金の内容により、「事業所得等」「一時所得」「雑所得」に分類されます。
なお、 国民1人あたり一律10万円が支給される「特別定額給付金」は、新型コロナ特措法の規定により、非課税となります。
また、令和2年第二次補正予算に基づき、新型コロナウイルス感染症に対応する医療従事者に支給される予定の慰労金は、所得税法で非課税とされる「心身又は資産に加えられた損害について支給を受ける相当の見舞金」に該当するとして、所得税は課税されません。
上記表に記載がない助成金等の課税関係については、その助成金等の支給元である国や地方公共団体の窓口にご確認ください。