2020年5月8日
- 税の最新情報
【新型コロナ関連】期限までに居住できなかった場合の贈与税の取扱い
国税庁は、当面の申告や納税などに関して寄せられた質問等を、「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」として取りまとめ、公表しています。
このFAQは、随時更新されています。今回は4月30日に追加された「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例における取得期限等の延長について」ご紹介します。
問 <<住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例における取得期限等の延長について>>
住宅取得等資金の非課税の特例について、次の場合に該当し、期限までに住宅の取
得又は居住ができなかった場合でも適用を受けることはできますか。
① 令和2年に父から住宅資金の贈与を受けて、家屋の棟上げまで工事が終了し、令和
3年 12 月 31 日までに居住する見込みであるとして、この特例の適用を受けて贈与
税の申告を行ったが、新型コロナウイルス感染症の影響により住宅の新築工事の工期
が延長され同日までに居住できなかった場合
② 令和3年1月に母から贈与を受けた住宅資金について特例の適用を受ける予定であ
り、令和4年3月15 日までに住宅を新築する見込みだったが、新型コロナウイルス
感染症の影響により工事の工期が延長され同日までに工事が完了できない場合
答
今般の新型コロナウイルス感染症の影響、例えば、緊急事態宣言などによる感染拡大防止の取組に伴う工期の見直し、資機材等の調達が困難なことや感染者の発生などにより、工事が施工できず工期が延長される場合があります。このような新型コロナウイルス感染症の影響により生じた自己の責めに帰さない事情は、特例の適用要件である取得期限や居住期限の延長が認められる「 災害に基因するやむを得ない事情」に該当するものと考えられます。
したがって、
①の場合については、居住期限の延長がされますので、その延長後の居住期限( 令和4年 12 月 31 日 )までにその家屋に居住すれば、この特例の適用を受けることができ ます。
②の場合については、取得期限と居住期限が延長されますので、その延長後の取得期 限( 令和5年3月 15 日 )までにその家屋を取得し、延長後の居住期限 令和5年 12 月 31 日 )までにその家屋に居住すれば、この特例の適用を受けることができます。
平成27年1月1日から令和3年12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等(「新築等」)の対価に充てるための金銭を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、一定の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となる制度があります(「住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例」)。
この特例の適用を受けるためには、取得期限(贈与を受けた年の翌年 3月 15 日) までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築 (いわゆる棟上げまで工事が了している状態 を含みます。 )又は取得等をし、居住期限(同年 12 月 31 日)までにその家屋に居住する必要があります。
ただし、「 災害に基因するやむを得ない事情 」により、取得期限までに新築等ができなかった場合 又は居住期限までに居住ができなかった場合には、それぞれの期限が1年延長され、特例の適用を受けることができます。
今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、工事の施工が出来ない、工期が延長した等の事情は、自己の責めに帰さない事由であり、「 災害に基因するやむを得ない事情」 に該当すると認められます。 したがって、取得期限までに新築等ができなかった場合又は居住期限までに居住ができなかった場合でも、期限の延長が認められます。