欠損金の控除限度額の見直し、繰越控除期間の延長
速報 平成27年度(2015年度)税制改正解説
1. 改正の概要
- 繰越欠損金の控除限度額が平成23年12月の税制改正における引下げから、さらに引き下げられます(改正前80%→65%→50%)。
(中小法人等(一定の法人を除く)は、従来どおり100%控除できる。) - 設立日から7年経過する日までの事業年度等については、控除限度額が緩和されます。(新設)
- 欠損金の繰越期間が延長(9年→10年)(※3)され、それに伴い適用を受けるための帳簿書類の保存期間(9年→10年)(※3)も延長されます。
内容 | 改正前 | 改正案 | ||
平成27年4月1日から 平成29年3月31日までの 開始事業年度 |
平成29年4月1日以後開始 事業年度 |
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控除限度額 (※1) |
① ②以外の事業年度 | 所得金額×80% | 所得金額×65% | 所得金額×50% |
② 設立日(※2)から同日以後7年を経過する日までの事業年度等 | 所得金額×80% | 所得金額 | ||
欠損金の繰越期間(※3) | 9年 | 9年 | 10年 |
(※1)中小法人等(資本金の額が5億円以上の法人の完全子法人等を除く)は、従来どおり100%控除できる。
(※2)合併法人の場合には、合併法人又は被合併法人のうちその設立が早いもののその設立等の日
(※3)平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金について適用される。
2. 実務上の留意点
- 繰越欠損金の控除限度額がさらに引下げられることにより繰越欠損金を有する法人の事業計画(利益計画)に影響があることから、将来計画に基づく企業価値算定(DCF法等)に影響を及ぼすことになる。
- 中小法人等については、現行の控除限度額(所得金額)が存置されるため、影響はない。
内容につきましては、「平成27年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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