地方拠点強化税制
速報 平成27年度(2015年度)税制改正解説
1. 改正の概要
地域再生法の地方拠点強化実施計画(仮称)について、地域再生法の改正法の施行の日から平成30年3月31日までに承認を受け、その後一定期間内に一定規模の建物等の取得や地方拠点の雇用者が増加した場合等に下記の特例措置が創設されます。
【趣旨】
地方経済縮小を是正するため、地方にある本社機能等の強化(拡充型)や東京23区から三大都市圏以外への本社機能等の移転等(移転型)を支援すること。
【地方拠点建物等を取得した場合の特別償却・税額控除】
(※1)移転型である場合には、括弧書きに記載された割合
(※2)取得する建物等は、一の建物及びその附属設備並びに構築物の取得価額の合計額が2,000万円以上(中小企業者にあっては、1,000万円以上)のものを要件とする。
(※3)税額控除における控除税額は法人税額の20%を限度とする。
【雇用促進税制の拡充】
(1)計画の承認の日以後2年以内の日を含む事業年度において、雇用者増加割合に応じ、地方拠点の増加雇用者数に一定額を乗じた金額の税額控除の適用を受けることができます。(現行の雇用促進税制の適用要件のうち雇用者増加割合以外は満たす必要がある。)
(2)移転型の計画で(1)の適用を受ける場合、その適用を受ける事業年度から承認の日以後2年以内の日を含む事業年度まで、雇用者数を維持することを要件として、地方拠点の増加雇用者数の合計数に一定額を乗じた税額控除の適用を受けることができます((1)と重複適用可)。
適用要件 | 一人当たり控除税額 | |
(1) | 雇用者増加割合が10%以上 | 50万円 |
雇用者増加割合が10%未満 | 20万円 | |
(2) | 雇用者数を維持すること | 30万円 |
【承認を受けた年度に移転をした場合のイメージ図】
(※1)控除税額の上限は法人税額の30%から現行の雇用促進税制による控除税額と地方拠点建物等を取得した場合の税額控除による控除税額との合計額を控除した残額である。
(※2)拡充型の税額控除の計算の基礎となる地方拠点の増加雇用者数は、法人全体の増加雇用者数を限度とする
2. 実務上の留意点
【地方拠点建物等を取得した場合の特別償却・税額控除】
- 税額控除は、中小企業者等の場合、法人住民税についても適用される。
(特別償却は、すべての法人の法人事業税及び法人住民税についても適用される。)
【雇用促進税制の拡充】
- 税額控除は、中小企業者等の場合、法人住民税についても適用される。
- 移転型の控除税額追加措置(上記(2))は、地方拠点の雇用者数又は法人全体の雇用者数が減少した事業年度以後の事業年度は、適用しない。
3. 今後の注目点
- 地域再生法の改正内容(地方拠点強化実施計画の承認プロセス、施行時期等)
内容につきましては、「平成27年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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