国際観光旅客税(仮称)の創設
速報 平成30年度(2018年度)税制改正解説
1. 改正の概要
観光立国実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図る観点から、観光促進のための税として、国際観光旅客税(仮称)が創設される。
財源の使途は、負担者の納得が得られ、先進的で費用対効果が高く、地方創生をはじめとする重要な政策課題に合致するものとされる。具体的には、①ストレスなく快適に観光が満喫できる環境の整備(最新技術を活用したCIQ体制・チェックイン手続きの強化・迅速化など)、②我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化(ICT、ビックデータの活用など)、③地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による満足度の向上、に資する施策に充てられる。
納税義務者 | 国際船舶等(※1)により、本邦から出国する国際観光旅客等(※2) |
非課税となる者 |
次に掲げる国際観光旅客等の出国には、国際観光旅客税(仮称)を課さない。
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税率 | 出国1回につき、1,000円 |
徴収・納付 |
① 国際運送事業(※3)を営む者による特別徴収 ② 国際観光旅客等による納付(プライベートジェット等による出国の場合) |
※1 本邦と外国との間で観光旅客その他の者の運送の用に供される船舶又は航空機(公用船及び公用機を除く。)をいう。
※2 出入国管理及び難民認定法による出国の確認を受けて本邦から出国する観光旅客その他の者等をいい、船舶又は航空機の乗員、強制退去者等を除く。
※3 国際船舶等を使用して有償で旅客を運送する事業をいう。
国際運送事業を営む者とは、日本航空株式会社や全日本空輸株式会社、郵船クルーズ株式会社などをいう。
2. 適用時期
平成31年1月7日以後の出国に適用される。
ただし、平成31年1月7日前に締結された運送契約による国際運送事業に係る出国(運送契約等により運賃の領収とは別に国際観光旅客税(仮称)を徴収することとされている場合等を除く。)には適用しない。
3. 実務上の留意点
- 国際運送事業を開始しようとする者又は廃止する者は、その旨を納税地を所轄する税務署長又は税関長に届け出なければならない。
- 国際運送事業を営む者は、その国際運送事業に係る国際観光旅客等の出国に関する事実を帳簿に記載しなければならない。
内容につきましては、「平成30年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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