中小企業向け設備投資促進税制の見直し及び延長
速報 令和5年度(2023年度)税制改正解説
1. 改正の概要
中小企業者等が設備投資を行った場合の優遇措置について、一部を見直した上、適用期限を2年延長する。
中小企業経営強化税制 (延長) |
中小企業投資促進税制 (延長) |
中小企業防災・減災投資促進税制(延長) | |
対象企業 | 青色申告書を提出する中小企業者等※(資本金額1億円以下の法人又は農業協同組合等) | ||
対象事業 (指定事業) |
・主に製造業・建設業・小売業・卸売業・サービス業等が対象 ・下記の事業等は対象外 |
・主に製造業・建設業・小売業・卸売業・サービス業等が対象 ・下記の事業等は対象外 |
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適用要件 | 特定経営力向上設備等の取得等をし、指定事業の用に供すること | 一定の対象設備の取得等をし、指定事業の用に供すること | 設備の取得前に事業継続力強化計画等の認定を受け、認定を受けた日から1年以内に取得等をし、事業の用に供すること |
見直し | ① 特定経営力向上設備等の対象より次の設備を除外する。 ・コインランドリー業又は暗号資産マイニング業(主要な事業であるものを除く。)の用に供する資産でその管理のおおむね全部を他の者に委託するもの |
① 対象設備から次の設備を除外する。 ②対象資産について、総トン数500トン以上の船舶にあっては、環境への負荷の低減に資する設備の設置状況等を国土交通大臣に届け出た船舶に限定する。 |
① 対象設備に次の資産を追加する。 ・耐震装置 |
※同一の大規模法人が発行済株式等の2分の1以上を所有している会社、2以上の大規模法人が発行済株式等の3分の2以上を所有している会社、適用事業年度前3年間の平均所得が15億円を超える法人を除く。
中小企業経営強化税制 |
中小企業投資促進税制 (延長) |
中小企業防災・減災投資促進税制(延長) | ||
対象設備・金額要件等 |
建物・構築物 |
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機械装置 | 1台160万円以上 | 1台160万円以上 | 1台100万円以上 | |
ソフトウェア | 1台70万円以上 | 合計70万円以上 | ||
器具備品 | 1台30万円以上 | 1台30万円以上 | ||
建物附属設備 | 1台60万円以上 | 1台60万円以上 | ||
工具 | 1台30万円以上 | 1台30万円以上かつ合計120万円以上 | ||
普通貨物自動車 | 車両総重量3.5t以上 | |||
内航船舶 | 取得価額の75%が対象 | |||
特別償却率 | 即時償却(100%) | 30% |
~2023(令和5)年3月31日 2023(令和5)年4月1日~ 2025(令和7)年4月1日~ |
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税額控除率 | 特定中小企業者等 | 10% | 7% | 適用不可 |
上記以外 | 7% | 適用不可 | 適用不可 | |
適用期限 | 2025(令和7)年3月31日までの間に事業の用に供した資産に適用される | 2025(令和7)年3月31日までの間に事業の用に供した資産に適用される | 2025(令和7)年3月31日までの間に認定を受けた事業継続力強化計画等の対象資産で、認定を受けた日から1年以内に取得等をして事業の用に供した資産に適用される |
2. 実務上の留意点
- 中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制の対象設備の縮小に注意が必要である。
- 中小企業防災・減災投資促進税制の対象設備に追加される耐震装置の内容の確認が必要である。
内容につきましては、「令和5年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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