特定資産の買換えに係る期限延長と一部見直し
速報 令和5年度(2023年度)税制改正解説
1. 改正の概要
(1) 趣旨・目的
コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとし、土地の有効活用による投資促進と不動産市場の活性化のため、内容に一部見直しを行った上で3年間延長する。
(2) 内容
適用期限が2023年(令和5年)3月31日から3年間延長される。
適用要件(対象資産、区域等、繰延べ割合、届出書)が一部見直される。
<適用要件の見直し>
号数 | 内容 | 改正後 | |
一号 | 既成市街地等の内から外への買換え | 適用対象から除外 | |
二号 | 航空機騒音障害区域の内から外への買換え | 一定の区域内にある資産を譲渡資産の対象から除外 | |
四号 | 長期所有(10年超)の土地、建物等から国内の土地、建物等への買換え | 本店又は主たる事務所の移転を伴う買換えの課税繰延割合 ・東京都の特別区の区域から地域再生法の集中地域以外への買換え 80%から90%に引き上げ ・集中地域以外の地域から東京都の特別区の区域への買換え 70%から60%に引き下げ |
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五号 | 一定の日本船舶から環境への負荷低減に資する一定の日本船舶への買換え | 外航船舶 | ・譲渡資産 船齢要件を25年未満から20年未満に引き下げ ・買換資産 環境への負荷の低減に係る要件等を見直し |
内航船舶 | ・譲渡資産 船齢要件を25年未満から23年未満に引き下げ ・買換資産 環境への負荷の低減に係る要件を見直し |
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港湾の作業船 | ・譲渡資産 船齢要件を35年未満から30年未満に引き下げし、平成23年1月1日以後に建造された船舶を除外 |
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共通 | 譲渡資産及び買換資産が同一の用途である場合に限定 |
〈適用要件の追加〉
内容 | 記載内容 | 提出時期 |
届出書の提出 | ・本特例の適用を受ける旨 ・適用を受けようとする措置の別 ・取得又は譲渡予定資産の種類等 |
譲渡資産を譲渡した日又は買換資産を取得した日のいずれか早い日の属する3月期間の末日の翌日以後2月以内 (3月期間とは、その事業年度をその開始の日以後3ヶ月ごとに区分した各期間) |
※特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例、特定の資産を交換した場合の課税の特例は不要
※先行取得資産に係る買換えの特例の適用に関する届出書は、記載内容を上記同様に見直し
2. 実務上の留意点
2023年(令和5年)4月1日から2026年(令和8年)3月31日までの間に譲渡したものについて適用される。届出書の提出要件については、2024年(令和6年)4月1日以後に譲渡資産の譲渡をして、同日以後に買換資産の取得をする場合について適用される。
3. 今後の注目点
今後、本特例の適用を受ける場合には、納税地の所轄税務署長に所定の事項を記載した届出書の提出が必要となる。買換事業年度中に提出期限が到来するケースも多く見込まれることから、十分な事前検討を要する。
内容につきましては、「令和5年度税制改正大綱」に基づき、情報の提供を目的として、一般的な概要をまとめたものです。そのため、今後国会に提出される予定の法案等を確認する必要があり、当該法案等において本資料に記載した内容とは異なる内容が制定される場合もありますのでご留意ください。対策の立案・実行は専門家にもご相談のうえ、ご自身の責任において取り組んでいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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