海外デスクレポート

2025年3月13日

ゴールドカードプログラムの創設について (米国)

ゴールドカードプログラムの創設について (米国)

2025年2月25日、トランプ大統領は、新たなビザのカテゴリーとしてゴールドカードプログラムの創設を発表しました。これは、米国に対する500万ドルの投資と引き換えにグリーンカードと同様に永住権を提供するもので市民権を得る新たな道筋として注目されています。

 

ゴールドカードプログラムは、1990年から実施されている現在のEB-5プログラムに取って代わるものと予想されています。EB-5プログラムは、主に起業家を対象としており、経済的に困窮している地域への外国投資を奨励するために設計され米国での雇用創出を目的としています。EB-5プログラムでは、申請者は105万ドル(特定の雇用創出対象地域は、80万ドル)の米国への投資と10名のフルタイムの雇用を米国で創出する必要があります。一方で、ゴールドカードプログラムは、富裕層の米国への誘致を目的としており、EB-5プログラムのようにアメリカでの雇用を生み出す要件は、現状では見込まれていません。また、EB-5プログラムは、2年間の条件付き米国居住を提供し、その後、永住権の申請が可能になりますが、ゴールドカードプログラムは、当初より永住権を付与されるものと思われます。さらに、EB-5プログラムでは、投資家は、米国の所得だけでなく全世界の所得についても申告する必要がありますが、ゴールドカードプログラムでは、米国の所得のみ課税され米国外の所得に対しては非課税とすることが検討されています。

 

トランプ大統領は、このプログラムは米国経済への投資を検討している個人と企業の両方が利用できると述べています。詳細な資格要件と申請プロセスはまだ明らかにされておらず、これまで発表された内容も今後変更される可能性があります。トランプ政権は、近日中にプログラムを開始する予定で、今後、詳細な内容が明らかにされるものと思われます。

 

 


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  • 山﨑 剛

    この記事の著者

    山﨑 剛
    税理士法人山田&パートナーズ
    税理士

    2019年、税理士法人山田&パートナーズに入所。国際部に配属。グローバル展開している上場企業、上場子会社といった法人の法人税申告業務、海外に資産を保有する個人の所得税及び相続税申告業務を中心に従事。2020年、大手金融機関に出向、法人オーナーを対象とした事業承継コンサルティングに従事。2024年、米国駐在。
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