上海市政府は住宅購入刺激策として9月29日に上海市非居住者に対する住宅購入制限の緩和や住宅ローンの最低頭金比率の引き下げなどの措置を発表し、この措置は10月1日から適用されます。
中国の不動産市場の低迷は4年前から続いており、上海市では今年5月にも大規模な住宅購入刺激策を実施しました。今回の措置もそれに続くもので更なる刺激を期待しています。またこの措置は中国の中央政府の方針に沿うもので上海市以外にも広州市や深圳市でも住宅購入促進のため、購入制限や住宅ローンの規制緩和の措置を実施しています。
上海市で実施される措置の具体的な内容は下記の通りです。
- 上海市非居住者(上海市の戸籍を持たない世帯および成人の独身者)が上海市内で住宅を購入する場合には上海市に対して3年以上の個人所得税と社会保険料の納付が必要でしたが、市内の環状道路の外側の住宅の購入であればその納付期間が1年以上に緩和されました。
- 必要と認められた他地域出身の人材に対し付与する「上海市居住証」を持ち、かつ居住証のポイント制度で一定のポイントを獲得している者に対しては、上海戸籍保持者と同様の条件で住宅を購入することができます。適用には個人所得税と社会保険料の納付期間が3年以上必要となります。
- 上海市内浦東新区の中国(上海)自由貿易試験区の臨港新区に勤務先がある者は、既存の住宅購入戸数制限とは別に臨港新区内で1戸の購入が可能になります。
- 銀行で組む住宅ローンの最低頭金比率の引下げ(下表参照)に加え、金利の高い時期に組まれた既存の住宅ローン金利を最新の金利水準に近づけるよう商業銀行に指示しました。
改正内容
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従来
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2024年5月改正
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2024年8月改正
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住宅購入時の最低頭金比率
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1軒目
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30%
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20%
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15%
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2軒目
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40-50%
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35%(郊外は30%)
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25%
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1軒目の住宅ローン最低金利
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LPR – 10bp
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LPR – 45bp
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