国務院から発表された2023年1月から施行される政策は下記のとおりです。
(1) 新エネルギー自動車に対する車両購置税の免除
中国では、日本の自動車取得税に相当する車両購置税(车辆购置税)があり、自動車を購入する際に10%の課税がされますが、2023年1月1日から2023年12月31日までに新エネルギー自動車を購入する場合、この車両購置税が免除されます。免除対象となる新エネルギー自動車は、中国税務総局が発行する「車両購置税免除新エネルギー車モデルリスト(免征车辆购置税的新能源汽车车型目录)」記載されているものとなります。
(2) 資格試験の柔軟化
一部の地域において資格試験の合格点数を個別に設定することができるようになりました。趣旨として地方振興のためとされていますが、薬剤師、パソコン、通信技術、監査、統計等10種類の専門資格が含まれています。
(3) 内陸地域への投資推奨
中国商務部は製造業、サービス業について内陸地域への投資を推奨する「外商投資奨励産業目録2022年版(鼓励外商投资产业目录2022年版)」を公表しました。対象地域や対象産業では、助成金の給付や税の軽減等の優遇措置を受けることができます。
(4) 自動車中古市場の活性化
2023年1月1日以降、個人が所有期間1年未満の車を1年以内に3台以上販売する場合、自動車販売企業、中古車取引市場、オークション企業等は中古車販売統一発票発行・取引の登録手続を行わず、警察機関や税務部門等の関連部門は規定に従って処理を行うことに変更になりました。警察機関や税務部門等は査証情報を共有し、税務局は発票発行のための情報支援を行い関連企業の発票発行のために証憑が提供されることになり、中古車売買手続きの簡素化が図られます。
(5) 採用手続きの簡素化
就職活動の効率化を図るため、就職先への提出書類のうち「雇用報告(就业报到证)」の提出は不要となり、併せて「雇用報告(就业报到证)」の発行も廃止されました。
(6) 医療不正防止
「医療保険基金(医療保険)」の不正使用を告発した場合、200人民元~最大20万人民元の報奨金を与えられることになりました。
(7) 本籍地外診療の簡素化
医療保険加入者で、長期にわたって本籍地以外の省に居住する者、または実家を離れて他省で臨時に診療を受ける者など地域を跨いで診療を受けた場合の精算について簡素化され、受診地で申請した後、医療費の直接決済サービスを利用することができるようになりました。
(8) 子供乗車券
従前は鉄道料金等に割引で乗車できる子供乗車券の対象に身長判定が用いられていましたが、子供乗車券購入時に実名登録制度を導入し年齢判定が用いられることに変更になりました。
(9) 健康増進
新たな「体育法」において、全国民のフィットネス戦略が立てられることになりました。特に、未成年に対して体育教育の重要性、1日最低1時間の運動時間を確保すること等が持ち込まれています。
参考:【收藏】1月起,这些财税新规开始施行 (qq.com)
大井 高志
税理士法人山田&パートナーズ
海外事業部 パートナー 税理士 公認不正検査士
亜瑪達商務諮詢(上海)有限公司 総経理
2013年山田&パートナーズ入所。大手金融機関への出向後、2016年より上海へ赴任。中国系会計事務所への出向を経て2019年より現職。中国・香港・台湾における組織再編、進出・撤退支援、M&A関連業務、コーポレートガバナンス、不正調査対応等のコンサルティング業務に従事。
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