スパイ対策の強化、スパイ行為の防止、停止、処罰、国家の安全の維持、国民の利益保護を目的として2014年に制定された反スパイ法が改正され、2023年7月1日から施行されました。
2014年に制定された反スパイ法は、「スパイ行為」の概念が不明確であり、かつセキュリティ防止システムが不完全で、行政法執行機関の権限付与が不十分として、スパイ法の施行が事実上困難な状態でした。今回の改正ではスパイ行為の定義を明確にすることで、実効性をもたせるものになっています。
なお、政府から公表されている取り締まり対象事例には海外コンサルティング会社の摘発事例も発表(下記)されており、今後の動向に注意が必要です。
【摘発事例】
2021年5月、国家安全機関は、海外のあるコンサルティング会社が、インターネットや電話を通じて、わが国の大規模海運企業や代理サービス会社の経営陣と頻繁に接触し、業界コンサルティング専門家を雇うという名目で、わが国の数十人と協力し、わが国の海運業界の基本データに関する情報を収集・提供するよう指示していることを発見した。 事件担当者はさらに調査し、関連する海運データと特定の船舶の貨物に関する情報が広く収集され、提供されていることを知った。 さらに調査したところ、当該海外コンサルティング会社は、進出国のスパイ・諜報機関と密接な関係を持ち、多数の情報収集・分析業務を請け負っていたこと、また、我が国の担当者を通じて入手した海運データが当該国のスパイ・諜報機関に提供されていたことを知った。
このような被害の継続を防止するため、国家安全当局は速やかに国内の関連要員に対して警告と教育を行い、受入企業に対して内部の人員管理とデータセキュリティ保護対策の強化を命じた。 同時に、コンサルティング会社の関連活動を調査し、法律に基づいて対処した。
参考
- 記載された内容は執筆者個人の見解であり、当税理士法人の見解ではないことをご了承ください。
- 本記事の内容は一般的な情報提供であり、具体的な税務・会計アドバイスを含むものではありません。
- 税制改正により、記載の内容と異なる取扱いになる可能性がありますことをご了承ください。