執筆:マレーシア担当
財務諸表はマレーシア会計基準審議会(Malaysian Accounting Standards Board (MASB))が認める会計基準と会社法に準拠し作成し、また会社と外国法人の支店の場合、会計監査人による監査を受ける必要があります。また監査報告書には、会社の財務諸表がMASBの会計基準と会社法に準拠し適正に作成されているか否かの意見を述べる必要があります。
会計・ディスクロージャー制度
財務諸表の報告・公開義務
全ての会社が監査済財務諸表を含む年次報告書をマレーシア会社登記所(CCM)に年次株主総会から1カ月以内に届け出る義務があります。
これら年次報告書はCCMのウェブサイトに公開されます。 しかしながら、20名以下の個人株主のみから構成される非公開会社の場合には、取締役、会社秘書役並びに会計監査人により署名がされた「免除非公開会社に関連する証明書」(Certificate Relating to An Exempt Private Company) をCCMへ提出することにより、年次報告書の届け出義務が免除されるため、CCMのウェブサイトには財務情報が公開されません。
会計基準
会計基準 概論
2014年現在、マレーシア会計基準には、Malaysian Financial Reporting Standards(MFRS)及びPrivate Entity Reporting Standards (PERS)の二つがあります。MFRSは国際会計基準(IFRS)とほとんど同等であり、非公開企業及び一部の除外事業体(*)以外の全ての事業体にMFRSの適用が義務付けられています。
(*「MFRS 141農業」及び「IC Interpretation 15 Agreements for Construction of Real Estate」の基準に該当する事業体等に関しては、2014年現在MFRSの適用は強制ではありませんが、2015年1月1日開始事業年度からは強制適用となります。)
PERSは、MFRSと比較し中小企業などのディスクロジャー義務を軽減するため作られた簡易的な会計基準ですが、2016年1月1日からは代わりにMalaysian Private Entities Reporting Standard (MPERS)が適用されます。 MPERSは、2009年7月にIASBから発行されたIFRS for SME(中小企業向け国際財務報告基準)をベースに作られています。