執筆:マレーシア担当
東南アジア中心部に位置するマレーシアは、地域市場及び国際市場に対する高度技術製品のコスト競争力を有するオフショア製造拠点として投資家にとって魅力のある国です。市場主導型の政府の方針に支えられ、マレーシアは、ダイナミックかつ活気あるビジネス環境を投資家に提供します。マレーシアの主な強みとして整備されたインフラ環境及びパフォーマンスの高い人材が挙げられ、整った法制度と安定的な政治国家として、マレーシアは投資家にとって大変魅力的な投資先国です。
基礎情報
・基礎情報
マレーシアはマレー半島と東マレーシア(ボルネオ島)の2地域に南シナ海を挟んで別れて構成され、国土は33万㎢(日本の約9割弱)です。人口:約3千万人(日本の人口の約4分の1)、マレー系民族が50%以上を占め、中国系が24%、先住民が11%、インド系が7%と、マレー系が多数派を占める多民族国家です。
一人当たりGDP:2013年 約USD10,500(アジア第13位)
首都:クアラルンプール。行政新首都はプトラジャヤ。
・進出動向
政治的経済的安定性、投資家に対してフレンドリーなビジネスポリシー、コスト効果の高い生産的な労働力、整備されたインフラ等どれをとっても投資家にとって魅力的な投資先国がマレーシアです。40カ国以上の国から5,000社以上の多国籍企業がマレーシアの製造業や関連サービスセクターに投資しています。
外資規制・投資促進
・外資規制
一部の業種を除き、製造業を中心に外国資本100%での投資が可能となっていますが、国家権益にかかわる事業やサービス業の一部の業種では外資規制があります。なお、製造業においては、資本金が250万リンギット以上、又は75人以上の常勤従業員を雇用している場合、製造業ライセンスの取得が必須です。例えば自動車業界がその一例で、マレーシアのローカル企業(特に1.8ℓ未満の排気量エンジンを持つ自動車)を外資の競争社から守るためにライセンス制度が設けられています。
しかしながら、2014年にはマレーシアを東南アジアにおけるエコカー製造ハブ拠点とする促進政策が打ち出され、ハイブリット及び電気エンジン搭載の自動車製造ライセンスが外国法人4社に2018年までに与えられることになりました。
・投資優遇政策
マレーシアは、製造、ITサービス、バイオテクノロジー、イスラム金融などの業種に対して投資誘致を目的とした多岐に渡る税務インセンティブを設けています。法定所得の一部課税免除などの形態がありますが、主な投資優遇措置は以下の通りです。
・パイオニア・ステータス: 法定所得の一部又は全額課税免除
・投資税額控除:適格資本支出による法定所得の一部控除
・再投資控除:適格資本支出による法定所得の一部控除